日経エンタテインメント!

「BIG Y!」編でCM初登場のJO1。メンバー11人がいろいろな表情を見せながら、激しいダンスを踊る

CMでは、JO1のメンバー11人が「♪学割はワイモバイル」と『Y.M.C.A.』の替え歌にあわせて、Yの字を模したポーズやフリースタイルなど、いろんなダンスを披露。ふてにゃんが「誰だ? 誰だ?」とつぶやく場面も。メンバーの様々な表情が映りつつ、学生エキストラの中、11人は動きのそろった激しいダンスを踊りまくる。最後は「若いって、サイコー!」の文字が画面にかぶる。

JO1の主なファンは若い女性。1月21日にCM出演が発表された直後から、ツイッターで「#JO1ワイモバ学割」が日本のトレンド1位になるなど、SNSを中心にファンから大きな反響があった。これを受けて、ワイモバイルでは急きょCMのロングバージョンを制作し、ワイモバイル公式YouTubeで公開。また、ウェブではメンバー11人それぞれに密着したメイキング映像を公開するなど、多面的な展開を実施した。

JO1の人気について長谷川氏は、「圧巻のダンスパフォーマンスはもちろんのこと、オーディション番組を通して彼らのシンデレラストーリーをファンの方々が見守り続けてきたということがデビュー前から大きな人気を集める理由だと考えます」と分析。「彼らにとって初めてのテレビCM出演ということもあり、今後間違いなく大きな旋風を巻き起こすJO1というニュースターの登場感とフレッシュさを存分に生かしたCMに仕上がっているかと思います」と言う。

CMを使い分ける立体的な施策

「BIG Y!」編は調査期間中のオンエアが3回だったにもかかわらず、女性13~17歳では全体の10位、18~24歳では8位と、若い女性から圧倒的な支持を受けた。コメントにも「かっこよすぎる」「とにかくみんな顔がいい」「好きなので見られてうれしい」といった声が並ぶ。

CM総合研究所の関根心太郎代表は、メディアやキャンペーンを使い分けるワイモバイルの戦略に着目。「CM好感度を牽引した『親子de学園祭』編は横浜流星さんや吉岡里帆さん、Mattさんなどさまざまなジャンルの著名人が楽しげに歌い踊る内容で、幅広い層に支持されました。また若者に対しては、彼らの間で人気の高いJO1をいち早く起用して『BIG Y!』編を制作。放送回数は多くありませんがSNSで話題を広げ、ウェブでのプレゼントキャンペーンなども展開しています。ターゲットごとにキャストや主戦場となるメディアを使い分けた立体的な施策が成功したようです」

ファミリーに向けた「親子de学園祭」編と若者に向けた「BIG Y!」編。ターゲットの特性にあわせたキャスティングやメディア展開が功を奏し、総合3位という高いCM好感度に結びついたといえそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

■調査対象期間:2020年1月20日~2月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2381銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある