ジャケットに合わせるデニムは、リジッドがいいと小誌は過去に幾度か主張してきた。これは濃紺という色の端正さがジャケットに馴染み、一定の品を保てるため。しかしそれにマンネリを感じるのなら、今季は色落ちデニムを合わせるといい。春夏に適した爽やかさや軽さ、さらに今らしい抜け感も醸し出せるからだ。
下半身のラギッドさが浮き立つことを心配するかもしれないが、例えばブルネロ クチネリのように生成りからベージュまでの“砂色”ジャケットと合わせれば話は別。上下のコントラストが柔らかになることでエレガントな見映えとなり、ジャケット、デニム双方の淡い色味の美しさも際立つ。
もちろんこの色合わせは春夏だけでなく、秋冬も有効。ジャケット+デニムという男の定番コーデを新鮮に見せる新セオリーである。
■BRUNELLO CUCINELLI(ブルネロ クチネリ)
ジャケットは麻74%+毛24%+絹2%の三者混。ベージュ基調の明るい色調と、色落ちデニムが相まって、春らしい清涼な雰囲気にまとまっている。グレーの細身タイ、生成りのベストもクチネリらしいエレガンスを高めるポイントに。
絞りの効いたテーラードJKには、程よい細身デニムを選ぶべし
■Jacket/TAGLIATORE(タリアトーレ)×Denim/PT TORINO DENIM(ピーティー トリノ デニム)
ジャケットは麻72%+綿28%。ベージュに紺の千鳥格子を配しているため、ブルーデニムとより合わせやすい。ちなみにこのデニムはPTらしいスーパースリムフィットの「SWING」。ウエストシェイプが効いた端正な仕立てのジャケットには、こういう細身シルエットが馴染む。
寛ぎ感あるニットJKには、ゆとりのある501(R)でバランスを
■Jacket/FINJACK(フィンジャック)×Denim/LEVI’S(R)(リーバイス(R))
軽快なカジュアルJKに特化した新鋭による麻100%のダブル。ラペルの綺麗なカーブにより、上品に寛いだムードを演出できる。ここには今どきのスリムデニムより、'93 501(R)のようなオーセンティックなシルエットが好相性。ボーダーカットソーを挟めばフレンチシックな雰囲気も薫ってくる。