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ビジネス書のメインの平台に展示する。周りの本より山が低くなっていた(青山ブックセンター本店)

ビジネス書のメインの平台に展示する。周りの本より山が低くなっていた(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れている準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来店客はやや少ないというが、外に出かけにくい雰囲気のせいか、本の売れゆきはそれほど落ちていない。そんな中、勢いのいい初速で売り上げを伸ばしていたのは、売れっ子のクリエイティブディレクターと独立研究者がこれからの日本に必要な仕事への向きあい方やスキルをめぐって語り合った対談本だった。

「くまモン」の水野氏と「美意識」の山口氏

その本は水野学・山口周『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術』(朝日新聞出版)。水野氏はブランドや商品の企画、グラフィック、宣伝広告、長期的なブランド戦略までをトータルに手がけるクリエイティブディレクター。くまモンやオイシックスなど、著名なプロジェクト、企業も数多い。一方の山口氏はこのところ精力的にビジネス書を刊行、ヒットさせている独立研究者。美学美術史学の修士課程を修め、電通や有力コンサルティングファームで働いたあと独立、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『ニュータイプの時代』といったヒット著作で、未来志向の働き手たちを刺激し続けている。

この2人が「これからの企業はどうなるべきか」から始まって、企業、仕事、文明と文化、ブランド、デザインなど様々なテーマをめぐって語り合う。その果てしない語り合いの中に「世界観をつくる」働き方のイメージが折々に投げ込まれ、読み手の頭脳や心を刺激していく。そんなドライブ感のある本だ。

「意味がある」と「物語をつくる」の重要性

全体は「意味をつくる」「物語をつくる」「未来をつくる」の3部構成。「意味をつくる」では、「企業は『役に立つ』と『意味がある』の分かれ道に立っている」――そんな視点が示される。「世界を相手に『役に立つ』闘いをするならば、1位だけが総取りする厳しい競争に挑み続けなければならない」。ならば日本企業は「意味がある」の方向へ行ったほうがいいんじゃないか。こんな議論が繰り広げられる。

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