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史上最小の恐竜化石 琥珀の中の「あまりに奇妙」な姿

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ナショナルジオグラフィック日本版

史上最も小さい恐竜の頭骨が発見された。ミャンマー産の琥珀(こはく)の中に閉じ込められていたもので、大きさは現在生息する最小の鳥と同じくらい、生息時期は9900万年前と見られる。

2020年3月11日付けで学術誌「Nature」に発表された論文によると、後頭部から口先までの長さはわずか1.5センチで、幅は親指の爪ほど。世界最小の鳥、マメハチドリとほぼ同じサイズで、体重は10セント硬貨(約2グラム)より軽かったと示唆される。

今回の恐竜は「オクルデンタビス・カウングラアエ(Oculudentavis khaungraae)」と名付けられた。研究によると、始祖鳥やジェホロルニスに最も近い恐竜だという。これらは獣脚類のうち鳥綱や鳥群の最初期のものと位置付けられており、現生の鳥類とは遠い親戚に当たる。

オクルデンタビスも羽毛の生えた翼を持っていたと考えられるが、さらなる化石がなければ飛べたかどうかはわからない。ハチドリに似てはいるが、花の蜜を餌としていたわけではない。鋭い歯が40本以上も生えた上あごや、獲物を探しやすい大きな目など、他の恐竜にない特徴をもっていた。

「私たちがまったく知らなかった独自の生態的地位(ニッチ)にいました」と、論文の共著者である中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の古生物学者ジンマイ・オコナー氏は話す。「楽しいですが、本当に困惑しています。すべてが、あまりにも奇妙なのです」

鋭い歯がたくさん生えていた

論文の筆頭著者である中国地質大学の古生物学者リダ・シン氏は、この化石を初めて見たとき、「奇妙すぎる」と思った。その長い口と大きな目は、初期の鳥だと示唆していた。だが、歯があまりに多かった。長さ0.5ミリ未満の歯が、右上だけでも23本も生えていたのだ。おそらく白亜紀の歯の生えた他のどの鳥よりも多い。

この頭骨をより詳しく調べるため、琥珀片を上海にある高性能X線施設に持ち込んだ。そのX線画像を目にした鳥類型恐竜の専門家オコナー氏は、仰天した。「その化石はまったく元のままで、保存状態がとても良かったのです」と同氏は話す。「本当に完璧でした」

この恐竜の相対年齢を明らかにするため、頭骨の画像を詳細に分析し、動物の成熟度の指標となる骨の融合度合いを調べた。その結果、このオクルデンタビスが死んだのは成体または成体に近い年齢だったと、同氏らは結論づけた。つまり、その小さな体は、より一層珍しいものだということになる。

大きな目はトカゲに似ていた

オクルデンタビスの目は、頭の横から飛び出すほど大きかったと見られる。オコナー氏は、古生物の「目の専門家」である米クレアモント・マッケナ大学W.M.ケック科学部のラース・シュミッツ氏に相談した。

爬虫類や鳥類の目には、視覚器を支える小さなリング状の骨(強膜輪)がある。強膜輪を構成する板状の骨は通常、細い長方形のような形だが、オクルデンタビスのものは、アイスクリームをすくう「スクープ」のようだった。「他の鳥類や恐竜には見られないものです」と同氏は話す。

現生の動物で同様のスクープ状の強膜輪を持つものは、昼行性のトカゲだけだ。同氏らの考えでは、オクルデンタビスは異常に大きな目を使って日中に餌を探し回り、歯の生えた口で昆虫を捕まえていたという。

現生鳥類で最も似ているのは、カリブ海に生息し昆虫を捕食する小型の鳥、コビトドリかもしれないと、鳥の頭骨の専門家である英ハル大学のジェン・ブライト氏は言う。しかし、コビトドリの頭骨は、オクルデンタビスの化石の2倍の大きさだ。「これほど小さな脊椎動物の化石が見つかるとは、度肝を抜かれました」と同氏は話す。「それほど奇妙なものなのです。私は大好きですが!」

オクルデンタビスの奇妙な特徴は、先史時代の特異な環境で進化したものではないかと、オコナー氏は考えている。資源が限られた島などの生態系では、進化の過程で動物の小型化が進む場合があるからだ。このミャンマーの琥珀層からは海洋生物のアンモナイトの化石が見つかることから、この琥珀は島あるいは少なくとも海岸線で形成されたことが示唆される。

「現生の脊椎動物で最小のものは、マダガスカルに生息する小さな小さなカエルで、肉食性です。同じようにオクルデンタビスも肉食だったと考えています」と同氏は語る。

オクルデンタビスに初めて光が当てられたのは2016年、ミャンマーの琥珀収集家カウン・ラ氏がある鉱山から出土した2個の標本(今回の極小の謎の頭骨を含む)を手に入れたときのことだ。同氏は、義理の息子であるグアン・チェン氏が館長を務める中国騰衝の琥珀博物館に、この化石を寄贈した。恐竜の種名の「カウングラアエ」は、寄贈したラ氏にちなんで名付けられた。

オクルデンタビスの頭骨が閉じ込められていた琥珀は、元々もっと大きな塊であり、羽毛が含まれていたという噂がある。だが、シン氏が化石を見た時には、琥珀は2つのかけらに切断・研磨されており、元が同じ物だと確認できなくなっていた。

シュミッツ氏は個人的に、同じ物である可能性に期待している。「この頭骨は、あまりに奇妙です。これまで記載したこと以外にも何かわかることがあるかもしれません」

(文 MICHAEL GRESHKO、訳 牧野建志、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年3月14日付]

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