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機能と見た目を両立 プロ絶賛の両面テープと消しゴム

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日経クロストレンド

文房具メーカーやファンが注目する「文房具屋さん大賞2020」。昨日紹介した「大賞」と「デザイン賞」に続き、今日は「機能賞」と「アイデア賞」から最新のトレンドを分析する。受賞したのは今までなかった使い方が簡単な両面テープと、SNSで話題になった「透明」消しゴムだ。

おしゃれでスタンプのように貼れる両面テープ

「文房具屋さん大賞2020」(主催:扶桑社「文房具屋さん大賞」実行委員会)の授賞式が2020年2月15日に行われた。同賞は文房具の「目利き」である東急ハンズやロフト、TSUTAYA、有隣堂をはじめオフィスベンダーなど11社が審査に参加し、「世の中で最も価値のある逸品を選定する」賞だ。

今回「機能賞」を受賞したのは、カンミ堂(東京・目黒)が19年8月9日に発売した両面テープの「タップテープ」(450円・税別)。ただの両面テープではない。本体から出ている剥離紙の端を引っ張ると、粘着面が箱の角に現れる。それを写真やカードなど貼りたいものにゆっくりポンと押し付けると、1片の両面テープだけが貼り付くというものだ。いわば「スタンプのように貼れる」両面テープといったところか。

テープの表裏で粘着性が異なるため、きれいに剥がせて、のり付きの付箋紙のように何度も貼り直せる点も人気の理由のひとつだ。

簡単に使えるようにするには、テープの製造過程で試行錯誤があった。本体の箱の中には等間隔にカットした両面テープをロール状にして収めているのだが、剥離紙を残した状態でカットするのに苦労したそうだ。

開発を手掛けたカンミ堂の田村友紀氏は、自社商品の特徴を「見た目と機能のバランスを大切にしている。かわいくておしゃれで、持っていたくなる見た目にするのはもちろん、困り事を解決できる機能を兼ね備えている」と説明する。タップテープもそうした発想から生まれた。確かに機能性もさることながら、そのデザインはとても両面テープとは思えないほどおしゃれだ。

文房具屋さん大賞の常連で毎年受賞しているカンミ堂だが、実は社員が11人という小さな会社だ。その分、小回りが利く強みを生かし、月に3回ほど「全員開発会議」という全社員による開発会議を行っている。「事前に社員から日ごろの悩みや気づきを募集し、そこから会議で話し合うテーマを決める。会議中はランダムに3つの班に分け、それぞれ商品を考えていく。その後、班の代表者が商品をプレゼンテーションする――という流れで会議を進めている」と田村氏。そこで出た商品案を開発メンバーでブラッシュアップしていくそうだ。

これまでカンミ堂は、付箋カテゴリーで商品を展開してきた。タップテープは同社にとって新たなカテゴリーに進出する戦略商品といえる。

文房具メーカーには文房具が好きで入社した人も多いだろう。その全員がアイデアを発言できる場があれば、モチベーションも上がるに違いない。カンミ堂の消費者を引きつける商品企画のポイントは、全員開発会議のような社内の仕組みを活用し、文房具に思い入れのある社員のアイデアを結集している点にあると言えよう。

SNSで話題となった、美しい「透明な消しゴム」

もう一つ注目したいのが、アイデア賞を受賞したシード(大阪市)の消しゴム「クリアレーダー」(100~150円・税別)だ。透明なのに消字性能が高いことや、SNSでの話題性が評価された。

インスタグラムでは青空や夕日を背景にしてクリアレーダーを撮影した写真が多く投稿されている。また、クリアレーダーの表面に細かい模様を彫って投稿している人も見られる。透明性が高く、どれも美しい仕上がりなのがポイントだ。

この商品、実は完成までに時間がかかっている。シード取締役統括本部長の藤井慎也氏はこう話す。

「これまで透明素材の消しゴムを作り続けてきたが、2010年の商品を最後に化学品会社の都合で作れなくなっていた。15年に会社が100周年を迎えた際、透明素材に金粉を入れて商品を作ろうとしたがうまくいかず、挫折した。しかし、それをきっかけに新たな透明素材を見つけ、企画を進めてクリアレーダーができた」

クリアレーダーの開発で苦労したのは、意外にも消しゴムのケースだそうだ。消しゴムの素材であるプラスチックに含まれる可塑剤は、他のプラスチック製品にくっついてしまう(移行現象)。それが起こらないようにするため、紙ケースに入れて販売するのが一般的だ。しかしそれでは透明なクリアレーダーの魅力は伝わらない。そこで商品の透明度を伝えるため、消しゴムとくっつかない透明なプラスチックのケースに入れることにした。そうした最適なケースを見つける試行錯誤も、ヒットに結び付いた一因と言えるだろう。

19年9月に発売され、当初の販売見込みから15倍以上もの注文がきているという。そのため売り切れ店舗が続出し、現在も供給が追いつかない状態だ。シードはここ数年業績が良くなかったそうだが、「クリアレーダーのヒットが、社員にとって今後の仕事の原動力につながる」と、同社営業部開発課の堀奈津美氏は言う。

藤井氏は「メーカーと販売店とユーザーが一体となり、盛況となった」と話す。消しゴムの透明度を生かして写真を撮るといった行為は、開発段階では意図していなかったという。メーカー側が想像もしなかった価値を、ユーザーが発掘したことが勝因だ。

「机に置いてさまになる」アイテムが増えている

文房具屋さん大賞の授賞式で司会を務め、自身も文具好きであるフリーアナウンサーの堤信子氏は、昨今の文具についてこう分析する。

「机の上に置いてさまになるというのが当たり前になってきている。ただの事務文具だけではないおしゃれさが加わっているものが多い。自分の持っている文具が全部違うメーカーの製品でも、好きなテイストにコーディネートができるぐらい、多くのアイテムが市場に出ている」

授賞式が行われた「東急ハンズ 文具祭り2020 スペシャルイベント」の監修者で、文具雑貨のメーカーでありノベルティーグッズの企画販売をしているノウト代表取締役所長の高木芳紀氏は、「ペンや消しゴムに注目が集まったが、ノート系のものもいい製品が出てくるのではないか」と20年の新製品への期待を述べた。

(ライター 梶塚美帆)

[日経クロストレンド 2020年3月17日の記事を再構成]

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