スマホもパソコンも禁止 名門ラ・サールの「寮生活」ラ・サール高校・中学(上) 教育ジャーナリスト・おおたとしまさ

中学生は異学年8人の大部屋生活(一部加工しています)
中学生は異学年8人の大部屋生活(一部加工しています)
東京大学の合格者数ランキングで2010年ごろまでトップ10の常連だった名門、ラ・サール高等学校・中学校(鹿児島市)。近年は最難関とされる国公立大学医学部への進学実績を積み上げている。同校の大きな特徴が「ラ・サール学園寮」で全国から生徒を受け入れていること。規律を重んじ、スマートフォン、パソコン、ゲーム機も禁止という寮で生徒はどう育つのか。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が訪ねた。

(中)論破はゴールじゃない ラ・サール英語ディベート部 >>

ブルース・リーもラ・サール出身

鹿児島のラ・サール高等学校・中学校(以下、ラ・サール)は、東大や医学部に多くの合格者を出す進学校として全国区の知名度を誇る。

「ラ・サール」とは、世界約80カ国に約1000もの学校を運営するカトリック系の教育修道会の名称だ。フランスの英雄シャルル・ド・ゴールもキューバのフィデル・カストロも映画俳優のブルース・リーもラ・サールの教育を受けている。日本にももうひとつ、函館ラ・サールがある。

鹿児島のラ・サールの創立は戦後間もない1950年。交通の便が悪かったので、寮を設置した。寮には当初、旧島津別邸を借用した。当時、学校は海沿いにあったが、その後、海は埋め立てられ、浜辺は遠のいた。

1970年代に鹿児島―羽田便が就航すると東大進学者が増えた。それで全国区の知名度を得ると、全国から生徒が入寮するようになる。現在、東京・名古屋・大阪・福岡でも学校説明会を行うが、これらは比較的近年始まったものだ。

ちなみにラ・サール以外にも総じて九州の進学校から東大進学者が多いのは、明治維新以来、東京に出て活躍するのがこの地方の王道の成功モデルになっているからである。さらに医学部進学者が多いのは、西日本に医学部が偏在しているからである。これも維新政府の実力者が西日本出身者で固められており、西日本に優先的に高度な教育機関がつくられたことと無縁ではない。

毎日3時間の「義務自習」がある

現在の寮は企業の社員寮並みの設備が整っている

かつての寮は木造で、昭和の漫画に描かれる運動部の合宿所のようだったが、現在の寮は2013年に新築されたばかりの鉄筋コンクリート。印象がまるで変わった。

全校生徒の約半数が寮で暮らす。県別では福岡県出身者が最も多く、次が東京都である。寮は学校敷地内にあり、教室までは徒歩数十秒。ついパジャマのまま登校したくなるが、もちろん毎朝きっちり制服に着替える決まりである。ただし、運動部は部活が終わると、グラウンドから直接泥んこのまま寮に帰ってくる。

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