日曜大工が妻から迷惑がられる女優、美村里江さん

NIKKEIプラス1

女優、エッセイスト。埼玉県出身。2003年、テレビドラマ「ビギナー」で主演デビュー。最近では「柳生一族の陰謀」(NHK・BSプレミアム、4月11日放送)に出演予定。
女優、エッセイスト。埼玉県出身。2003年、テレビドラマ「ビギナー」で主演デビュー。最近では「柳生一族の陰謀」(NHK・BSプレミアム、4月11日放送)に出演予定。

日曜大工で椅子や箱を作るのですが、妻から「家が狭くて置き場に困る」と迷惑がられます。作る楽しみ、使ってもらえる喜びはどこへいったのでしょう。(愛知県・60代・男性)

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物を作るのって楽しいですよね。私も学生時代、木工の授業は大好きでした。

さて、先日偶然、友人のお母様が相談者さんの奥様と同じ視点の悩みを漏らしていました。

「家族のために、と考えてくれるのはとても嬉(うれ)しいの。でも、買うほどのクオリティーでないものが家に増えるのはちょっと……」

多くの女性にとって、家は自分のお城です。落ち着くように、気兼ねなく休めるように、様々に工夫しています。そして60代というご年齢であれば、特に物は少なくして管理しやすいよう、断捨離的なこともしている最中の可能性があります。そこに増える、オーダーもしていない、好みではない家具。

そのうえでクオリティーですが、相談者さんの腕前はいかがでしょう。作品例として挙げられている「椅子や箱」は、私も中学校の木工課題で作り、比較的簡単だったと記憶しています。

同じ簡単な物なら、大きな物でなく、小さく大活躍の作品を。例えば家の棚にぴったりサイズの仕切りとか、奥様にご要望をうかがい、受注型で作る案はどうでしょうか。

次々と思うまま作っても家族を困らせない物って意外と難しいんですね。「日常で使えて便利だろう」と思う物ほど、相手の好みや使い勝手とぶつかる。相談者さんと同世代の男性が退職後に始めたクラフト系趣味(陶芸など)に悩む家族の声は、切ないことに比較的よく耳にします。

しかしまた別の友人の父親は、蕎麦(そば)好きが高じて、プロのもとで修行までして出店し、地元で好評の蕎麦店になったそうです。

そう、全ては「上手(うま)い」ことが救ってくれます! 遊びにいらした奥様のご友人が、「まぁ、この椅子はご主人が?」「お礼を用意するからうちにも作って頂けないかしら」なんて水準まで、極めればよいのです。椅子は座り心地が命ですから、売り物レベルを目指し、人間工学まで学んでみてはどうでしょう。

「作る楽しみ」と「使ってもらえる喜び」は、両方とも相談者さんのご都合。奥様のご都合も取り入れて製作すれば、喜んでもらえる場面が出てくるはずです。

まずはどんな物なら家に増えてもよいか、デザインを含め話し合ってみてください。夫婦2人の共同プロジェクトになれば、きっと別の楽しみも増えますよ。

[NIKKEIプラス1 2020年3月28日付]

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