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激戦区浅草橋の細い路地にある「らーめん福籠」

トッピングとして搭載されるショウガが食べ進めるにつれてスープ中に溶け出し、食味に変化をもたらすスタイル。胃袋の容量の多寡を問わず、食べ飽きないように随所に工夫が施されている点にも好感が持てる。

このスープに合わせているのは、札幌の製麺所の麺を用いることが多い「すみれ」出身店舗の中では珍しい、「浅草開化楼(都内の老舗製麺所)」製の低加水麺。

麺自体に確固たる存在感があるタイプで、麺とスープが醸す一体感で箸を進めさせる同系他店のラーメンとは異なり、麺は麺、スープはスープ、おのおののおいしさをめでながらいただける仕上がりとなっている。

店内は女性や子供も含め皆、スープまで飲み干していた。営業時間も21:30(LO)までと、21時までにのれんをしまう店が大多数を占める都内においても、比較的長め。特に、浅草橋近隣を生活圏としている方は、同店へと足を運ばない手はないだろう。

あさひ町内会の「味噌らーめん 煮卵入り」

あさひ町内会

<2月オープンの新進気鋭。超本格派の味噌ラー提供>

締めを飾るのは今年2月16日、都営三田線板橋区役所前駅から徒歩3分程度の好立地にオープンしたばかりの新店「あさひ町内会」。

同店を切り盛りする店主は上で紹介した「福籠」と同様、「すみれ」の出身。一風変わった「あさひ町内会」という屋号は店主が生まれ育った町の名前に基づくものだ。

同店が提供するラーメンのラインアップも、「福籠」とほぼ同様。「味噌らーめん」「醤油らーめん」「塩らーめん」を提供するが、おススメはもちろん、券売機の筆頭を飾る「味噌らーめん」。

変わった屋号は店主が生まれ育った町名に由来

スープが口の中へと飛び込んだ瞬間知覚できる、豚骨に由来する動物系のコク&ラード油の香味。スープを舌の上で転がせば、それらに引き続き、上品さを感じさせる味噌のうま味がビッグバンのようにさく裂。風味の引き締め役を担うスパイスのピリッとした風味の存在感も躍如だ。

このスープに合わせる麺は本場・札幌の名門製麺所「森住製麺」製の細縮れ麺。スープと、まるで長年連れ添った夫婦のような相性の良さを誇る絶品。まさに、麺とスープが醸す一体感で箸を進めさせる1杯と言えるだろう。

夢中になって食べ進める内に、気が付けば、丼が空っぽになってしまっていた。

今回紹介した3店はいずれも、「純連」「すみれ」という札幌味噌ラーメンの「今」を形作った名店の出身。

だが、食べ比べてみると、その味わいは三者三様。いずれも、その店特有の趣がある。胃袋に余裕があれば、ぜひ3店舗を食べ比べていただきたい。きっと、味噌ラーメンの世界に魅了されるに違いないから(笑)。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。
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