――靴はどのくらいのペースで履き替えるのがいいのでしょうか。

若松「できたら毎日替えていただきたい。1日履いたら、せめて1日は休ませて。可能でしたら3足をベースに用意して、1足を2日間、休ませるのが理想的です」

――3足持つとしたら、ほかにどのタイプを選んだらいいでしょうか。

若松「Uチップ、ウイングチップがおすすめですね。アッパーにU字型のステッチが入ったUチップ、爪先の飾りのステッチが鳥の羽のようなW字型になっているウイングチップは、少しカジュアルな雰囲気になります。あと上級者向けになりますが、遊び心を持ちたいならバックルが2つ付いたダブルモンクストラップや、ステッチがつま先まで流れるスワールもいいでしょう」

つま先のとがった靴が人気、でも本来のトラッドは丸い靴

――ご紹介いただいた紳士靴はいずれもベーシックなタイプです。ただ、リーガルといえば、つま先が丸っこい靴という印象が強かったのですが、とがり気味のものもあるのですね。

若松「20年くらい前からスーツのトレンドが細身へと変わり、足元もこれに合わせて細いシルエットが主流になってきました。リーガルも時代の流れに合わせて、例えば同じストレートチップでも、つま先が丸いものだけでなく、細いものもそろえています。実際、細い方が売れ行きはいいですね」

横から見ると違いが一目瞭然。最近は左のようにノーズの長いタイプが好まれるという

石津「でもね、トラッドの靴は本来、つま先が丸いものなんですよ。僕らのようにベーシックなものを好む人間は、とんがった靴は好きではないな。とんがっている靴を好む人はベーシックなスーツではなく、着丈の短い、ぴたぴたしたスーツが好みの人たちだよ。それに街を歩いている若者の靴は、もっとつま先がとがっていて、きゅっとそり上がっていますよね。女性にはあまり評判がよくないと聞きます(笑)」

――リーガルには極端にノーズが長い靴はありませんが、やや長めのものはありますね。

若松「木型では、こちらがノーズの長いものです。スタンダードなものと比べるとよく分かります。お客さまに支持されているとはいえ、スタンダードなスタイルに合わせる靴となると、先の丸い、ノーズが長くないものを推します。最近、つま先の細さは行き着くところまでいったという観があり、この先、ベーシックに回帰するのではないかとも思っています」

リーガルではパターンオーダーにも力を入れている。デザイン、革、靴底などを選ぶのも楽しい

石津「売れていることと、ベーシックであることは別ものです。丸の内のきちんとしたビジネスマンは基本に戻らないといけません。クラシックなスーツにとんがり靴はおかしい。それに靴のつま先が長すぎると、歩いていてひっかかったり、階段でつまずいたりする。外反母趾(ぼし)を招く靴なんだから。年をとってから、しまった、と思ってももう遅いの」

「紳士靴はデザインのバリエーションが少ない。トラッドでは4つか5つに落ち着きます。僕は今こそこう言いたい。靴だけはデザインや素材よりもまず、履き心地で選びなさい、とね。機能が第一です」

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