ベーシックな革靴を選ぶコツが分からない、という若手ビジネスマンが増えている。背景にあるのは2年前から続くスニーカーブームや、一段と進むオフィススタイルのカジュアル化だ。革靴をきちんと履く機会がないまま社会人になった人も多いと聞く。そこで服飾評論家、石津祥介さんとリーガル日本橋(東京・中央)を訪れた。新社会人や若手ビジネスマンが仕事用の1足選ぶ時、抑えておくべきポイントとは。リーガルコーポレーション商品企画一部部長の若松隆行さんにアドバイスをもらいながら、スーツやビジネスカジュアルに最適な靴を吟味した。
最初の1足はストレートチップかプレーントゥ
――スーツに合わせる、ベーシックな靴といえば何がおすすめですか。実際どんなものが売れているのでしょうか。
若松「最初の1足ということで断然売れているのが、アッパーの爪先に一直線の縫い目が入ったストレートチップです。飾りやステッチが何もないプレーントゥもおすすめします。ストレートチップはプレーントゥよりもフォーマル。どんなシーンでも履ける万能選手です。ちなみに、ひもを結ぶ部分の構造として、外に出ている外羽根と内側に収まっている内羽根の2種類があります。内羽根の方がエレガントです」
石津「そう。圧倒的に汎用性がある靴といえば確かにストレートチップでしょうね。冠婚葬祭にも履けますから。ただね、僕は新入社員ならば最初の1足にはプレーントゥをすすめたいな。役職についている上の会社員ならともかく、若手会社員で、ストレートチップのフォーマル度に見合うようなスーツを着ている人はほとんどいない、というのがその理由です」
――たしかにプレーントゥは最もシンプルで、革靴になじみのない人も抵抗がなく履けるデザインです。
石津「今の若者は長い間スニーカーに親しんでいますよね。だからあまりフォーマル度が高くないほうがいいんです」

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