コロナに負けるな 体操動画で在宅ストレス吹き飛ばせ
在宅勤務や学校・レジャー施設の休みが続くと気になるのが運動不足。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためとは言え、外出が減り、スポーツもしにくいとなると、ストレスもたまる。そんな状況をアイデア動画で乗り越えようとする取り組みが始まっている。NTTコミュニケーションズはラグビー部による体操教室を毎日ライブ配信。知育玩具のボーネルンド(東京・渋谷)は、自宅での遊び方を紹介する動画を1日1本公開している。それぞれコロナ対策として当面継続されるが、在宅勤務中のコミュニケーションのあり方や、育児に欠かせない親子遊びのヒントにもなっている。
人気ラガーマンがストレッチ指南
平日午後3時、NTTコミュニケーションズ社員は、ちょっとぜいたくなラジオ体操を楽しむ。パソコン画面に登場するのは同社ラグビー部「シャイニングアークス」のメンバー。取材した3月17日は、元日本代表の山田章仁選手をはじめ、南アフリカ代表のマルコム・マークス選手、オーストラリア代表のクリスチャン・リアリーファノ選手ら豪華メンバーがラジオ体操を実演した。
肩こりや腰痛などに効くストレッチ法の紹介コーナーを含め約20分。視聴した約450人の社員からは「楽しい」「ありがとう」といったコメントが、リアルタイムでチームのパソコンに届く。ストレッチ指南役のひとり、石井勇輝選手は「自分たちの得意なところを社員に還元できてうれしい」と笑う。
同社は3月2日から全社的な在宅勤務に入っており、ラグビー部が所属する国内最高峰のトップリーグも試合を開けない状況が続いている。同部の内山浩文GM(ゼネラルマネジャー)は「(ライブ配信が)ラグビー部と全社員をつなぐコミュニケーションの機会になってくれている」と話した。
プレイリーダーが「おうち遊び」のヒント
ボーネルンドが動画サイト「ユーチューブ」などを通じて3月3日から一般向けに配信しているのは「プレイリーダーがお届け!あそびのヒント」だ。タオルや紙など日用品を使い、自宅で簡単にできる遊びを紹介している。
1本あたり数十秒の短い動画でガイド役をつとめるのは「プレイリーダー」。全国21カ所にある屋内遊び場「キドキド」で、子どもの遊び相手になったり、子育ての相談に乗ったりするエキスパートだ。
3月14日に横浜市内で撮影されたのは2本。「タオルでしまわたり」は「飛び石」遊びのタオル版で、ゴールまでの間に置くタオルが少ないほど難しくなる。「たからさがし」は、隠し場所周辺の画像を手掛かりに、おもちゃやお菓子など宝物を探し回る遊びだ。プレイリーダー歴14年の村井雄一さんは「親子で簡単に遊べることが大切」という。子どもにつきっきりになりがちな保護者のストレスも緩和できるからだ。
今回の動画配信には、2011年に起きた東京電力福島第1原子力発電所事故の経験も生きている。同社は福島県内で屋内遊び場の設置に協力した実績があるが、当時は放射線への懸念から外遊びを制約された子どもたちが情緒不安定になったり、体力が低下したりといった影響がみられたという。
「タオルずもう」
「色あそび・何のいろ?」
(名出晃、天野豊文)
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