自分の知見・スキルの「披露」を焦らない
中途入社者の場合、「即戦力」として、経験を生かすことを期待されるケースが多いでしょう。しかし、最初から「デキるところを見せよう」と気負うのは禁物です。
「自分の知見・経験を教えてあげる」というスタンスからスタートすると、逆に教えてもらいづらくなります。周囲も「あの人に『教えてあげる』のはプライドを傷つけるかもしれないから、あえて口を出さないほうがいいかな」などと、変な遠慮をしてしまうかもしれません。結果的に、教えてもらいにくくなって、自分が損をすることになります。
自分に実績やノウハウがあっても、「この会社の事情を自分はまだ理解できていない」と認識することが大切です。
過去に経験した業務であっても、会社が変わればルールや進め方は異なります。わかっているつもりで勝手に進めると、周囲に迷惑をかけることになることもあり得ます。
「皆、忙しそうだから、質問して手間を取らせるのも申し訳ない」などという遠慮から、聞けないまま自分の判断で進めてしまうこともあるでしょう。でも、それが間違っていたのでは、後でリカバーするのに結局メンバーに手間をとらせてしまうことになりかねません。
とにかく「知ったかぶり」は禁物です。経験者といえども、その会社では「新人」であることを肝に銘じ、「こういうやり方で進めていいですか?」といった感じでルールや手順を確認したうえでとりかかるようにしましょう。
どんどん質問していいのは、中途入社して間もない期間の特権です。わからないことをわからないままにしたまま時間がたってしまうと、どんどん聞きづらくなるので、早い段階で疑問を解消しておきたいものです。
「新人なので」を理由に気軽に相談したり質問できたりするのは、入社後半年くらいの期間ではないでしょうか。まだお客様扱いしてもらえる期間中に、疑問は早めに解消しておくことをお勧めします。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
