集まれ!公務員 中央官僚が挑む「顔が見える」全国連携

最初の交流会を開いたのは2010年。60人ほどが集まった。少し大きな飲み会のような催しだったが、回を重ねるごとに紹介が紹介へとつながり、企業人や学生も参加するようになった。今では毎回の参加者が400~500人を数えるまでに成長した。

交流会では著名人を講演に呼ぶが、脇さんが目玉と位置づけるのは、参加者による「1分間ピッチ」だ。プレゼンテーションをしたい人を事前に募集し、当日の舞台に立ってもらう。テーマは自由。仕事と無関係でも全くかまわない。

交流会で仕事の幅も広がる

8日の交流会では14人が、代わる代わるオンラインでプレゼンを行った。「気候変動について考える会、やりませんか?」「福祉政策を担当する皆さん、つらさを話し合う場をつくらない?」といった公務員ならではのテーマから、「ホヤを食べよう!」とか「井戸端会議」など、日ごろの業務には関係のない話題も飛び出した。

この日のピッチに登場した竹順哉さんは、よんなな会に参加したことで仕事の活動の幅も広がったという一人だ。本業は気象庁の情報利用推進課情報係長で、災害情報の活用方法についての施策立案を担当している。2017年からよんなな会に参加。あるとき、1分間ピッチで「地域防災に興味ある人いませんか」と声を上げたことが転機になった。

3月のオンライン交流会はウエブ会議サービスを活用し、国内外の公務員をつないだ

「すぐに脇さんが、民間企業で防災に関係する人たちを紹介してくれて、あれよという間に『よんなな防災会』という小さなコミュニティーができた」。2018年の西日本豪雨、19年の台風19号など被害が甚大な災害が相次いで全国的に防災の意識が高まったこともあり、いまでは300人を超えるメンバーがよんなな防災会に参加している。災害時には職員全員が総出で対応するため、防災の担当ではない公務員も多く参加しているという。

気象庁が持つ防災情報を地域でどう活用してもらうか。国や自治体だけでなく民間の力も合わせてもっとうまく日本の防災力をあげていけないか――。よんなな防災会ではこうしたテーマで勉強会を開催。これをきっかけとして、静岡県沼津市が地元Jリーグチームと共同で地域防災の活動を始めるなど、具体的な形になってきている。

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