Men's Fashion

伝統仕立て派? イージー派? 両極ジャケットを着分ける

トレンド

2020.4.1

MEN'S EX

労苦を厭わず職人の手仕事をふんだんに盛り込んだサルトリアルなジャケットと、構造を限界まで簡略化したイージーなジャケット。どちらが紳士に相応しい一着だろうか? 答えは「時と場合による」だ。




最高級ビスポークジャケットも、パートナーと買い物に出かける休日には浮いて見えてしまうだろうし、クールビズ時期とはいえシリアスなビジネスシーンにペラペラのジャケットはそぐわない。真逆の思想で作られたジャケットだが、これらをシーンに即して、フラットな目線で着分けることが新時代の身だしなみなのである。

両極の仕立てをともに着れば、着こなしのボキャブラリーも自ずと増える。サルトリアルなジャケットとイージーなジャケットで、異なる装いの方法論が身についていくのを実感できるはずだ。これぞ真の“装いの多様化”といえよう。

[サルトリアル・クラシック]

“手”でなければできない伝統仕立てにこだわる
【 選びのCheck Point 】
(1) 吸い付くような肩
(2) 温もりある手縫い
(3) 逞しい立体感

CESARE ATTOLINI(チェーザレ アットリーニ)
イタリア既製服における最高峰といえばアットリーニ。ビスポーク同様にハンドメイドで作られており、縫製だけでなくアイロンワークにも気が遠くなるほどの時間をかけている。吸い付くような着心地はそれゆえだ。 65万円(ディエトロレクインテ)

タイ2万3000円/チェーザレ アットリーニ、シャツ7万7000円/ディエトロレクインテ(以上ディエトロレクインテ)、パンツ3万9000円/PT TORINO(ビームス 六本木ヒルズ)

CIFONELLI(チフォネリ)
パリを代表するテーラーの一角。ビルドアップされたロープドショルダーがここの象徴的仕立てだ。生地は英国ハリソンズのウールリネン。適度なハリで仕立ての立体感を引き立てている。 19万円~〈オーダー価格〉(伊勢丹新宿店)

KITON(キートン)
ベストセラーとして知られる「KBモデル」。立体的な丸みを帯びた肩の作りと、流麗なウエストラインが絶品だ。生地はカシミア×シルク×リネン。ほかにない独創的かつ贅沢な素材使いもキートンならでは。 70万円(キートン)