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入り口近くのメインの平台に3列で陳列する(八重洲ブックセンター本店)

入り口近くのメインの平台に3列で陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来店客はめっきり減っている。郊外の系列店ではむしろ増加しているといい、都心のど真ん中の店舗ならではの苦境だ。そんな中、気を吐いている新刊の一つが、国語学者と人気アナウンサーが話す力について縦横に語り尽くした本だった。

明大の後輩を前に講義

その本は斎藤孝・安住紳一郎『話すチカラ』(ダイヤモンド社)。片や国語学者、片やTBSのアナウンサーとしてテレビ出演も多く著名な2人だが、安住氏は明治大学の出身で斎藤氏の教え子だったという。まだ教職課程の専任講師だった斎藤氏の授業を、安住氏は話すことへの情熱や日本語への探究心を胸に抱きながら聴いていた。当時の情熱にもう一度火を付けるべく、後輩たちの前で語りたい。本書の企画が持ち込まれたとき、安住氏はそう提案したという。その特別講義を採録して再構成し、生まれたのが本書だ。

生で話すことで何かを伝える。アナウンサーとしての安住氏の経験が随所ににじみ出るのが本書の読みどころだ。後輩の学生たちを前に話すというライブ感のある語りが、「話すチカラ」という、一見漠としたテーマに生気とインタラクティブな広がりを与えている。そこにさらに熱を加えたり補足したり、安住氏の体験から得た教えをより深めて広げていくのが斎藤氏の役どころ。これを巧みに構成し直すことで、「話すチカラ」をめぐる技術や工夫、意識の持ち方が軽快な読みものとして頭に入ってくる仕掛けだ。

集中は15秒しか持たない

全体は5章構成。「わかりやすく話す」「人間関係がうまくいく話し方」「話すためのインプット」「日本語の面白さにハマる」「上機嫌で話すマインドセット」の5章だ。

「わかりやすく話す」の冒頭は15秒で話すというテクニックの話。人の集中は15秒しか続かないと話し、30秒時間があるときは15秒を2セット、45秒なら15秒3セットの序破急、60秒なら15秒4セットの起承転結で話すように心がけると安住氏はいう。これに斎藤氏が大学の授業で学生1人に15秒コメントしてもらう機会を頻繁に設けている話を続ける。

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