新型コロナで広がる在宅勤務 気をつけたい社員の孤立産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

画像はイメージ=PIXTA
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社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動に大きな影響を及ぼしています。まず企業に求められるのは、社員がウイルスにうつらない、うつさないことです。手洗いやうがいの徹底、マスク着用などは有効な手段といえるでしょう。テレワークのほか、時差出勤なども一定の効果が期待されます。

一般的に37.5度以上の発熱や風邪の症状が認められる場合、出勤を控えるのがいいでしょう。検温の数値もさることながら、平熱より高く体調が悪ければ、気をつける必要があります。家族に発熱があった場合も出社を見合わせるのが望ましいでしょう。

発熱や風邪症状があり、感染が疑わしいと企業が判断して社員を休ませる場合、休業手当が支払われます。発症して長く仕事を休むと傷病手当金の対象になり得ます。

私が産業医を務める食品会社では、毎朝出勤時、非接触型体温計による検温を全員に実施しているほか、手洗いやうがい、マスクの着用を徹底して義務づけています。社内会議や研修も必要最小限にとどめ、時差通勤を推奨。混雑が予想され、密閉された空間に長時間とどめ置かれることから、新幹線や飛行機による出張も禁止しています。

テレワーク、事業継続と安全対策を両立

それだけ徹底しているにもかかわらず、助言を求められたので、「うつらない、うつさない」に加えて、体力を養い抵抗力を高めることを意識するようにアドバイスしました。規則正しい生活習慣、とりわけ十分な睡眠とバランスが良い食生活が第一です。

これからの季節、多くの企業で株主総会が予定されています。株主総会は延期も不可能ではないとされますが、実際には難しいところも少なくないようです。株主総会の開催にあたっては時間短縮の検討に加えて、ドアノブや座席、マイクなどの消毒の徹底、間隔を広く設けた座席配置などの対策が必要です。体調が優れない株主向けに、発言のための機器を備えた別室の用意も必要でしょう。

企業には事業の継続と、社員や取引先、顧客などに対する安全対策の両立が求められます。このため、在宅勤務などのテレワーク(遠隔勤務)を採用する企業が増えています。

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