蜷川実花監督『FOLLOWERS』 女性の幸せの形は自由

日経エンタテインメント!

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トップクリエイターの進出が続くNetflix作品。2月27日からは、写真家・映画監督の蜷川実花初のドラマ『FOLLOWERS』が配信となった。舞台は東京。「子どもを持つ」という夢をかなえられないまま持ち続けている写真家のリミ(中谷美紀)と、自分を貫こうとする女優志望のなつめ(池田エライザ)を中心に、世代の違う女性たちの人生がSNSを通じて交錯していく群像劇だ。

『FOLLOWERS』蜷川実花にとって初のドラマシリーズ作品

2019年に2作が公開になるなど、映画分野で製作を続けてきた蜷川が、なぜNetflixでドラマシリーズを制作することになったのか。デビュー作映画『さくらん』(07年)以来、蜷川作品をプロデュースしてきた宇田充氏は、表現したい内容と予算規模などの面で最適だったと語る。

「映画『ヘルタースケルター』を製作している11年頃から、蜷川さんはドラマシリーズに興味を持っていました。日本のドラマで描かれる女性像に違和感を感じていらして。主人公が結婚や仕事などなにかを我慢したり、虐げられることが物語の見せ場になることが多いし、『私なら、素敵な生き方を貫く女性たちをもっと痛快に描けるのに』と。その頃から様々なメディアの方とも話をしてはいたのですが、蜷川さんの作品は、例えば、カッコいい女性を描きたいとか、女性目線の性描写シーンが普通にあったりもする、そういう演出がある作品にモチベーションを持っていただけるテレビ局さんはありませんでした。

実はNetflixさんにも以前、相談はしていて(笑)。ちょうどサービス開始の頃ですね。ただ当時は、ある意味“特殊”で“独特な”日本市場を理解されていて、知見のある大手メディア企業とタッグを組むという方針だったかと。16年頃に、現在コンテンツ・アクイジション部門ディレクターの坂本和隆さんが担当になってから、Netflixさんが独自に制作するオリジナル作品に力を入れていくという方針になった。たまたま坂本さんからも蜷川さんで何かできないかという提案があり、渡りに船で意見が合致しました」

Netflix作品は、基本的に世界190カ国で同時配信される。そのため、ストーリー展開や人物描写に対して、世界のトレンドを意識したリクエストがあるとも言われている。本作ではそのようなやりとりはあったのだろうか。

「蜷川さんがやりたいものと、Netflixさんが求めるものが合致していたんです。それは、仕事か子どもかの二択ではなく、女性の幸せの形もいろいろあること、もっと自由でいいんだよというテーマ。そこにはLGBTの方も普通に存在している。笑いのためのカリカチュアではなく、リアルな人として。以前に他社さんから、イケメン俳優を取りそろえて大人の壁ドンならばやると言われましたが対照的ですね(笑)。

マイノリティーに関する部分はNetflixさん側からの要望も強かったと思います。蜷川さんの周りにはセクシャルマイノリティーの方も普通にいるし、これまでの作品にも出ています。もともと今回も出る予定だったんですが、メインキャラクター(の1人)としてぜひという提案がありましたね」(以下、宇田氏)

蜷川がテーマとしたのは、「東京に生きるリアルな女性の姿とポジティブなメッセージを発信したい」ということ。そのために必要とあれば、予算も確保できたという。

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