実態はヤミ金? 「給料の前払い」うたう高利貸し横行弁護士 志賀剛一

手数料が仮に半月で2万円だとすると、1カ月で4万円、つまり利率でみれば月20%、年利に換算すると240%になります。これはまだ「優良」なほうで、業者によっては手数料が50%を超えるところもあり、年利換算で600%以上となります(さらに高いところもあります)。

給料ファクタリング業者の広告を見ていると、手数料として20%などとして表示しているため、一見するとカードローンの金利と変わらないのではないかと誤解しそうですが、年利に換算するととんでもない高利であることがわかります。

貸金業の登録せず

貸金業者の場合、利息制限法という法律に基づき、貸付額に応じて年15~20%の上限金利で貸し付けを行わなければなりません。利息制限法の上限金利を超える金利は超過部分が無効となります。さらに、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(出資法)により上限金利が年20%と定められ、これを超える金利(返済期限経過の場合の遅延損害金の利率を含む)は、刑事罰の対象となります。

ところが、給料ファクタリング業者は、取引は債権の売買であって貸金ではなく、よって貸金業法の適用はないと主張し、貸金業の登録もしていません。給料ファクタリング業者が貸金業者でないということであれば、貸金業法の上限金利は適用されず、手数料は法律で規制されていないことになります。

無登録業者が極めて高い金利で金を貸すという「ヤミ金」が社会問題化したため、ヤミ金融対策法が2004年1月に施行され、ヤミ金被害も徐々に減ってきましたが、これではヤミ金と変わらないのではないかとの声も出ています。

深夜・早朝の取り立ても

給料債権を買い取るということは、労働者から債権譲渡を受け、業者が会社に対する債権を持つことになります。しかし、労働基準法は、給与について労働者へ直接支払うよう定めており、債権譲渡された第三者への支払いは禁じられています。

給料ファクタリングには勤務先である会社も当事者にした3者間取引もあるといわれていますが、ファクタリングの利用が会社にわかってしまうので、大半は給料ファクタリング業者と利用者の2者間での取引となります。業者は給料債権を「買い取った」のですから、給料日になれば業者が会社に対して支払いを求めればよいのですが、前述のとおりそれは禁止されており、また、利用者自身も会社へ連絡されるのは困るわけです。

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