実態はヤミ金? 「給料の前払い」うたう高利貸し横行弁護士 志賀剛一

写真はイメージ=PIXTA
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Case:76 遊興費がかさんでお金が苦しくなり、カードローンやクレジットカードのキャッシング枠がいっぱいになってしまい、これ以上借りられなくなりました。インターネットで検索したところ、「給料ファクタリング」という制度があり、「グレーだが業者を選べば大丈夫」と書いてありました。利用してみようと思いますが問題ないでしょうか。

給料を「債権」として買い取り

問題は大いにあります。あなたはキャッシング枠が一杯になってしまい、これ以上借りられなくなったとのことです。カードローンやキャッシングは貸金業法の「総量規制」の対象となっているので、年収の3分の1までの貸し付けに制限されています。年収が300万円であればカードローンやカードキャッシング枠は最大でも100万円が限度となるわけです。

クレジットカード会社は、貸金業者として貸金業法に基づき金銭の貸し付けを行っているからです。そこで、最近ではクレジットカードのショッピング枠を使って購入した商品などを換金する「現金化」や、相談のケースのような「給料ファクタリング」など、キャッシング枠がいっぱいになりお金が借りられない人をターゲットにした業者が多数現れ、ネットを中心に利用者を募っています。

他方、「ファクタリング」とはもともとは企業が持つ売掛債権を買い取ってもらうサービスで、これ自体は正常な商取引です。ファクタリング業者は売掛債権の額面から手数料を差し引きますが、企業としては決済日よりも早く現金化できるため、中小企業を中心に広く普及しています。

これをサラリーマンが会社に対する給料債権になぞらえたのが給料ファクタリングと呼ばれる手法であり、「給料の前払い」などのうたい文句で利用者を集めています。

手数料、年利換算600%以上の業者も

給料ファクタリングはまず、業者が利用者の給料の一定額を給料日の半月前に、給料の額面額(例えば20万円)よりも安い額(例えば18万円)で債権として買い取った格好にします。利用者は、半月後に会社から給料を受け取って額面通りの20万円を業者に支払い、給料債権を「買い戻す」ことになります。差額の2万円は業者が「手数料」として受領するわけです。

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