仕事と子育て自在 細切れリモートワークがママ救う

日経DUAL

2020/3/23
柔軟なリモートワークで働くママの声に応える(写真はイメージ=PIXTA)
柔軟なリモートワークで働くママの声に応える(写真はイメージ=PIXTA)
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企業を取り巻くさまざまなリスクを回避するためのITサービスを提供するGRCS(東京・千代田)。子育て中の女性や他の企業を定年退職した年配者などを積極的に採用。コアタイムがなく、基本的にはどこでリモートワークするのも自由という「完全フルフレックス制度」を設けていたり、業務内容次第ではあるものの、地方在住者は完全在宅で仕事ができたりといった、多様な人材が無理なく働ける仕組みづくりを進めている。GRCSが取り組んでいるさまざまな人事施策について聞いた。

GRCSという社名は、「ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス・セキュリティー」という4つの言葉の頭文字をつなげたもの。その名前の通り、さまざまな企業リスクを回避するためのコンサルティングやIT製品・サービスを提供する、というのが同社のミッションだ。2005年にFrontierXFrontierという社名で創業したが、18年3月、業務内容を表す現社名に変更した。

19年12月現在の社員数は87人で、そのうち24人が子育て中のママやパパ。小さな子どもを育てている女性の採用にも積極的だ。

「代表の佐々木慈和も自身も子どもを持つ父親で、子育て中の母親たちが、家庭内でいかに山積みのタスクをスムーズに処理し、時間管理にたけているかを熟知していたことから、まだ共働きがこれほど世間で叫ばれてはいなかった8年ほど前から積極的な『ママ採用』をスタートさせました」と、広報担当の深井翠さん。今は、定年退職したシニア層の採用にも意欲的で、既に3人が在籍している。若手とシニア、子育て中の人など、さまざまな背景を持つ社員が共に働く多様性のある環境が着々と醸成されつつあるという。

子育て中の人やシニアは、能力はあっても、働く時間や働き方に制約が生じることがある。そこで同社では、当人たちが希望する働き方を、可能な範囲で受け入れてきた。

広報担当の深井翠さん。いったん専業主婦となった後、3歳と1歳の子連れで再就職活動をし、パート社員から3年後に正社員登用された

細切れにリモートワークできる点も子育て中の社員らに好評

例えば、19年1月に中途で入社した丸山香さんは、週4日、1日5時間(週20時間)勤務する正社員。週1日は家事や子どもの習い事に充てたいという丸山さんの希望に応じ、フレックスタイム制度を活用することで、週4日勤務を実現させた。

また、地方に住む人が「東京に住居を移さずに仕事をしたい」と希望した場合、業務内容によっては「完全在宅」で仕事をすることも認めている。実際、開発者の中には中国地方や関西地方在住の人もいるという。

こうした働き方や場所、時間に制約のある社員たちが枠にとらわれない働き方ができている背景には、15年に正式に制度化された、自由にリモートワークができてコアタイムもない「フルフレックス制度」や柔軟な勤怠システム、セキュリティーが担保された勤務環境があるという。

例えば、子育て中の社員の場合、子どもの発熱で保育園や小学校を休んでいる日は在宅勤務とし、子どもが眠ったタイミングなどで会社のシステムにチェックインして仕事、起きたらチェックアウトして子どものケアに切り替える、などと、オン・オフを小刻みに切り替えられるため、有休を取らなくて済む場合もあるという。同様に、小学校の学校行事なども、このシステムがあるために、仕事の休みを取らずに参加できる。「細切れにリモートワークをしても、勤務時間は分単位でしっかり記録されるので、完全に自分のペースに合わせて仕事を進めることができます。子育て中の社員たちに非常に好評です」と深井さんは説明する。

あるママ社員の出退勤記録画面。1日の中で何度か出退勤している日もあることが確認できる(同社提供画像)
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