弱気相場は長期運用の好機 上手な付き合い方と経験則QUICKリサーチ本部 北澤千秋

写真はイメージ=123RF
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世界の資産市場が大きく動揺する今は、長期で運用する人々にとっては資産を安く仕入れる絶好の機会だ。資産形成を始めるのに適したタイミングでもある。そして、長期の資産づくりと決めたなら、ここはじっくり腰を落ち着けて臨みたい。新型コロナウイルスの感染拡大が引き金となって米国景気がこのまま後退局面に入るとすれば、相場の下落は長期化し、谷は一段と深まる恐れが強まるからだ。

長期運用の成否は、冬の雨空のような陰鬱な弱気相場といかに上手に付き合うかにかかっている。

米景気、後退期入りなら下げは長期化

世界中の投資家が今、固唾をのんで注視しているのがクラッシュした米国株の先行きだ。世界の株式の中で最大の投資対象であり、上げ下げは各国の市場、他の資産にも波及する。焦点は今回の下げ相場が1987年のブラックマンデーと同じように比較的短期で終わるのか、だらだらと続いた2000年のIT(情報技術)バブル崩壊のようなパターンに陥るかだ。

月末値ベースでみて下落率が25%を超えた米国株(S&P500種株価指数)の下げ相場は、過去50年に5回あった。その5回について高値から大底をつけるまでの下落期間をみるとブラックマンデーのときだけ3カ月間と極端に短かった。

他の下落局面とブラックマンデーとの違いは明白だ。ブラックマンデーは米国の双子の赤字(財政赤字と貿易赤字)に端を発したドル安・インフレ懸念、そして国際協調の足並みの乱れがきっかけで、米国景気はまだ後退期には至っていなかった。一方、他の4回は景気の後退局面と重なっていた。

過去の事例から類推すると、今回の下げが米景気の後退を先取りしたものであれば弱気相場は長期化する恐れが強まり、経済対策などで景気が持ちこたえられれば短期間での底入れが期待できる。先行きについては様々な見方があるだろうが、筆者は新型コロナウイルスの感染拡大が個人消費や非製造業の業績を下押しし、米国経済がマイナス成長に転じる確率は日増しに高まっているとみている。

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