既製スーツに宿る職人の息づかい リングヂャケットニッポン発ラグジュアリー(5)

2020/3/18

香港の気鋭セレクト店への商品供給を機に世界で注目

海外の消費市場ではここ5年の間にリングヂャケットの認知度が一気に高まった観がある。転機となったのが10年に香港にオープンした「ジ・アーモリー」への商品供給だ。今はニューヨークにも店舗を構える気鋭のセレクトショップで、世界中のクラシックの名品を扱う店として各国のおしゃれ好きの紳士が訪れる。

海外顧客も訪れる、リングヂャケットマイスター206青山店(東京都港区)

オーナーのマーク・チョーさんはリングヂャケットの技術力に目を付け、1号店のオープン時からアーモリー限定のオリジナル商品を調達・展開した。間もなくリングヂャケットの名前は香港に集まる世界中のビジネスパーソンに知られるところとなり、人気ブランドの地位を獲得した。マークさんは「このクオリティーでこの価格水準の商品はまずない。安すぎるほどだ」と感心する。「日本はいいものを作るが価格は手ごろで当たり前。スーツが低迷したのも価格競争に巻き込まれたからだと思います。うちはしっかりと価値に見合う価格で商品を提供していきたい」と津田さん。取扱店舗は米国、北欧、英国、香港、シンガポール、タイ、マレーシア、韓国と幅広い。海外への卸売比率は25%まで高まり、スーツ不況といわれるなか右肩上がりでシェアを伸ばす。

「伝統的なものづくりをしながら雰囲気がモダン」「生地への理解度が高い」とは海外から寄せられる評価の声だ。「日本のメーカーに必要なものは、個性の表現力と発信力」と話す津田さんは、いまだ国内外での顧客開拓の余地は大きいとみる。店舗や社員が情報発信するSNS(交流サイト)などを駆使しながら、新たなファンづくりを進めていく。

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

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