父の死で人生に迷い 行き場失った子犬が救ってくれた

日経ARIA

犬への愛情は激しく、猫にはじんわりと伝わっていく

りんなちゃんは今や32キロの堂々たる体格で、家の中でも元気いっぱい。かたやトロちゃんとチャナちゃんは1日のほとんどを静かに寝て暮らすおばあちゃん。取材の途中でリビングに現れたトロちゃんは、門馬さんの腕に抱かれて幸せそうにウトウト。チャナちゃんのほうが少々臆病で、隣の部屋でひっそりこちらの様子をうかがっているようでした。

「犬も猫も、私にとってはかけがえのない存在です。ただ、愛情の伝わり方が少し違うかな。りんなのほうが一緒に過ごす時間が長いし、お互いの感情が激しく伝わる感じなのに対し、トロとチャナはそばにいて当たり前で、愛情もじんわりとしたものかもしれません」

友人が知り合いのイラストレーターに描いてもらった絵。右上が、昨年天国へ行ったベニちゃん

りんなちゃんが来たことが転機となり、門馬さんの心の迷いも少しずつ晴れていきました。4年前には先代ママが体調を崩したことを機にお店を譲り受け、「卯左木」の2代目ママに。大ママになった先代とともに、大好きなお店を切り盛りしています。時にはりんなちゃんが一緒に「出勤」し、庭で過ごすことも。気立てのいいりんなちゃんはお店でも人気者です。

門馬さんがママを務めるバー「卯左木」の庭で(門馬さん提供)

「お客様は多種多様な職業の方がいらっしゃるのでお話しするのがとにかく楽しく、とても勉強になります。店長をはじめスタッフや周囲の環境にも恵まれて、日々幸せを感じながらお仕事をさせていただいています。

自分がお酒を飲むときは明るい人に会いたいので、お客様に楽しい時間を過ごしていただけるよう、常に一定のテンションを保つように心がけています」

動物たちに優しいまなざしを注ぎながらそう話す門馬さんの笑顔は、とびきり輝いていました。

(取材・文 谷口絵美=日経ARIA編集部、写真 鈴木愛子)

[日経ARIA 2019年10月25日付の掲載記事を基に再構成]

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