20年スマホカメラはコンデジ超え 大型センサー搭載西田宗千佳のデジタル未来図

1/1.7インチ、1/1.4インチといったサイズのセンサーは、ちょっと前であれば「高画質コンパクトデジカメ」に採用されるレベルのものだ。今は、コンパクトデジタルカメラはスマホより先に「センサーの大型化」が進み、「1インチ」サイズのものも増えてきた。とはいえ、1インチクラスのものを採用するのは、10万円を超えるような超高級デジカメ(例えば、ソニーの「RX100」シリーズや、パナソニック「LUMIX TX」シリーズ、キヤノン「PowerShot G」シリーズ)である。一般的な価格帯のデジカメのセンサーサイズはスマホに追いつかれたと言っていい。

最近のカメラは「ソフト」で画質が左右されるようになっていて、スマホのカメラは、デジカメに組み込まれるものよりも高性能なプロセッサーを使えることなどから、ソフトによる高画質化処理に、より優秀な機能が使われている。こうなると、高倍率の光学ズーム機能をのぞき、ほとんどの部分で「スマホがコンパクトデジカメを抜いた」といっても過言ではない。

現状、デジカメ市場は「一眼(ミラーレスを含む)」「大型センサーを使った高級コンパクトデジカメ」市場のみが元気な状況で、低価格なコンパクトカメラはスマホに押されて売れていない。そういう意味では、「スマホのカメラがコンデジを抜く」のは現状の追認にすぎないのだけれど、ついに本格的に「もはや中級以下のコンデジを買う意味はない」と言えるようになってきた。

2024年まで「大型化」は続く

では、センサーの大型化はどのくらい進むのだろうか? ソニーの半導体部門である、ソニー・イメージング&センシング・ソリューション事業担当常務でソニーセミコンダクタソリューションズ社長の清水照士氏は、1月に筆者の取材に答え、次のように説明している。

「(スマホカメラの)多眼化率は年15%、センサーの大型化は、年平均20%の勢いで拡大しています。このペースは、2023年もしくは2024年まで続くでしょう」

すなわちあと3年くらいは、「3眼・4眼」のカメラが増え、それらが「より1インチに近いサイズのセンサー」を搭載するトレンドになっていくようだ。もちろん価格の問題もあるので、野放図に数が増え、サイズが大きくなることはないのだろうが。少なくとも、「1/1.7インチ」「1/1.4インチ」といった規模のセンサーをもったスマホは今後も増え続け、数年後に「あたりまえ」になっていくのだろう。

センサーが大型化すると、同時に「高画素化」もしやすくなる。サムスンの「1/1.3インチ」センサーは、画素数が1億800万画素と飛び抜けて多い。高画素化はもちろん画質に貢献するものだ。

ただこちらは、少なくともソニーは乗り気ではないようだ。清水常務は「レンズの性能が伴わず、動画対応も必要なスマホの場合、単純な高画素化では画質が落ちる」と、「1億画素」を単純に追いかけない、と話す。ただし「よりセンサーサイズが大きければ、画素数は増える可能性がある」ともいう。1億画素とまではいかないが、画素数を増やす可能性はあるのだろう。

この辺も含め、スマホのカメラの「スペックの見方」は、今年再び変わっていきそうだ。

西田宗千佳
フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。
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