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マネーコラム
Money&Investment

2020/3/21

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その後は引っ越し業者の手配も必要になる。料金が高くなっているだけでなく、希望日に引き受けてもらえないことも珍しくない。

入居に際して必要となる初期費用の面でも差が大きい。普通賃貸借契約では通常、敷金・礼金や仲介手数料が家賃の2カ月分前後はかかる。そのほかに、火災保険の加入や家財道具を買いそろえる費用もそれなりにかさむ。

1年未満なら割安

一方、短期賃貸住宅サービスの場合、予約手数料や清掃費などを事前に支払うだけのことが多い。手続き面では相当に負担が軽い。

ただ、1カ月の家賃を比べると公共料金分などが含まれる月決めの方が当然、割高となる。実例をみよう。3月上旬にオヨライフが募集していた東京都内の物件を探すと、東武東上線ときわ台駅から徒歩9分で、2006年完成の鉄筋コンクリート造り5階建てアパート。2階の1Kタイプで月10万1000円とあった。不動産情報サイト「ライフルホームズ」によると、同駅周辺のワンルーム、1K、1DKの普通賃貸借物件の家賃相場は約7万円だった。

不動産情報サイト「マンスリーズ」の試算では、都内で築5年、広さ20平方メートルの部屋の月額家賃が月決めマンション16万円、普通賃貸マンション9万円と想定すると、8カ月目に総支払額が逆転する。普通賃貸借では1年以内の退去は違約金がかかる場合が多いことなどを除いたとしても、1年未満であれば月決めマンションが割安になる可能性が高い。

「長期出張者の利用多い」

月決めの賃貸住宅として使われる物件は年々増えている。不動産サービスを手掛けるリブマックス(東京・港)傘下のグッド・コミュニケーション(同)の情報サイト「グッドマンスリー」に掲載された募集件数は19年12月時点で2万3000件を超え、4年で3倍になった。全国で7500戸以上を運営するリブマックスは「プロジェクトなどでの長期出張者の利用が多い」と指摘する。

短期賃貸住宅サービスは、普通の賃貸住宅とビジネスホテルの中間形態と考えればわかりやすいだろう。あくまで住宅である以上、入居に際しては収入要件などの審査もある。それぞれの特性を理解して上手に住まいを選びたい。

(田中浩司)

[日本経済新聞朝刊2020年3月14日付]

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