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「働き方改革にとどまらす生き方改革をしよう」と説く松本晃氏

「働き方改革にとどまらす生き方改革をしよう」と説く松本晃氏

プロ経営者の松本晃氏は、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていたカルビー時代、大胆な働き方改革を推進して業績を大きく伸ばし、「ミスター働き方改革」と呼ばれることもありました。その松本氏が最近、講演などで熱く訴えているのが働き方改革に代わる「生き方改革」です。生き方改革とは何なのか、今なぜ必要なのか、語ってもらいました。(前回の記事は「ビジネスは『答えのないゲーム』 考え抜くから面白い」

日本の競争力向上、人の変化から

僕が「生き方改革が必要」という根本には、日本経済が諸外国と比べて相対的に悪くなっているという現実があります。いまだに1990年ごろまでの成功体験を引きずっているのが原因です。成功するためのビジネスモデルがとっくに変わっているのに、相変わらず昔のビジネスモデルでやっている。これでは、うまくいくはずがありません。

たとえば、昔は中小企業の存在が大企業を支えるのに必要不可欠でした。ところが今では、そうした産業構造が海外企業との競争に勝てない一因になっています。競争力を上げるには産業構造を変えないといけません。しかし、既得権益を守ろうとする強い力が働いて、なかなか変われません。

日本人のメンタリティーの問題もあります。変えなきゃいけないと思っていても、結局怖くて何もしない。横並び意識が強いから、「隣が変えないからうちも変えない」とか「うちもだめだが、隣もだめだな」なんて言って何もしない。これでは永遠に変わりません。

一番の処方箋は、偏差値偏重の教育のあり方を変えることだと思っています。僕の勝手な定義ですが、偏差値教育というのは、少数のエリートと「金太郎あめ」をつくる教育です。規格品の工業製品を大量に生産して成長していた時代は、偏差値教育は経済にとって必ずしも悪ではなかった。大量生産をするには、現場に個性的で面白い人間がいては困るからです。だから学校は個性の乏しい金太郎あめをどんどん社会に送り出した。企業も毎年4月1日に一斉に入社式を開いて一体感を高め、新入社員教育を一律に施し、金太郎あめのような社員を次々と育成してきたんです。

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