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花王社長 沢田道隆氏

花王社長 沢田道隆氏

日用品国内最大手の花王。2012年に就任した沢田道隆社長は、技術開発から商品化まで社内で完結させる自前主義の伝統を覆し、社外の技術やアイデアを取り入れる「オープンイノベーション」を進めている。売上高1兆5000億円を誇るとはいえ、グローバル市場では9位にとどまる。世界の大手と肩を並べる企業に成長するために、「率先して逸脱すること」をリーダーとしての信条とする。

◇  ◇  ◇

――リーダーとして大切にしている心構えは何ですか。

「無難の中から変革は生まれないと強く意識しています。日本人は先例を重視しすぎる傾向があり、積み上げていくのは上手ですが、突き抜けるのは苦手だと思います。自分が大きな変革だと思って取り組んでも、外から見るとそうでもないということは多々あります。もっと極端でいいのです。2020年までの中期経営計画『K20』では、『自ら変わり、そして変化を先導する企業へ』をスローガンに掲げています。会社は常に時代に合わせて変化していく必要があり、従来の考え方に縛られていては絶対に生き残れません」

――突き抜けることが難しいと考える社員も少なくないと思います。

「だからこそ、リーダーが率先して逸脱する必要があります。例えば、採用に関して社内で極端な提案をしました。人材は多様性が重要ですが、選考のなかで結局自社に合う人に採用が偏っていないか、それは本当に多様性があると言えるのか――。こうした問題意識から、最終選考でくじ引きを導入することを提案しました。頭のいい人も必要、テキパキ動く人も必要、男性も女性も日本人も外国人も必要。そして、運がある人も必要なのではないかという考え方です。この案は実現していませんが、議論に一石を投じられたと思います」

「19年は入社式を思い切って変えてみました。新入社員がいて、役員がいて、起立や礼をして、という従来の方法では絶対に記憶に残りません。ワクワクして入社したのに、これから頑張ろうという意欲がわきません。そこで、新入社員の赤ちゃんのときの写真をスクリーンに映し出したり、新入社員の席の後ろから私が現れたりと、今までにない入社式にしようと工夫を凝らしました」

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