スマホ替える時、LINE移行のありがちな「落とし穴」
新年度に変わる4月、心機一転、スマートフォンも新調したいと思う人もいるだろう。そこで注意すべきは、LINEアカウントの移行だ。これまで使っていたLINEアカウントを引き続き使うには、前もって準備しておくべきことがある。
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LINEの移行については記事「スマホ替えるなら確認 LINE引き継ぐ3つの設定」で詳しく説明している。この記事にも書いてある通り、確認しておくべきは「パスワード」「電話番号」「メールアドレス」の3つ。これだけ押さえておけば、問題なく移行できる。
最初に、なぜLINEアカウントを移行しなければならないのか再確認しておこう。LINEアカウントを移行しなくても、新しいアカウントを作ればLINEは使える。しかしその場合、下記に列挙したものが使えなくなる。
・トーク履歴
・購入したスタンプ
・LINEポイントやLINE Payの残高
・写真
これらをなくしたくなければ、LINEアカウントを移行しなければならない。とはいえ、「移行するつもりが、移行できなかった」ということもある。そこでありがちな失敗例をLINEに聞いた。
失敗例1「パスワードを忘れた」
繰り返しになるが、LINEアカウントの移行に必要なのは「パスワード」「電話番号」「メールアドレス」の3つだ。この中で忘れやすいのはパスワードだろう。またLINEは2019年2月まで、電話番号だけで使用開始できたため、それ以前からLINEを利用している人の中には、そもそもパスワード、メールアドレスを設定していないケースもあるかもしれない。
だが、新しいスマホに移行するときには必ずパスワードを聞かれるため、パスワードが分からないとアカウントは移行できなくなる。移行する前にはパスワードを設定しているか、設定したパスワードは何かを確認しよう。
どのようにパスワードが求められるのか。基本的な流れは以下のようなものだ。
LINEアカウントを移行するには、まず新しいスマホのLINEアプリを起動し、使用している電話番号を入力。SMSに届いた認証番号を入力し、アカウントの名前を確認するとパスワード入力画面が表示される(詳しくは記事「スマホLINE移行 電話番号変更の有無で変わる手順」参照)。
ただし、もしここでパスワードを忘れたことに気づいたとしても、メールアドレスが設定されていれば、そこにパスワード再設定用のメールを送ってもらうことができる。再設定したパスワードを使えばLINEアカウントを移行できるわけだ。こういったときのためにも、自分のLINEにメールアドレスを設定しておくことが重要になる。
しかし、メールアドレスを設定している場合にも落とし穴がある。登録しているメールアドレスがキャリアメールだった場合だ。
失敗例2「登録したメアドが使えなくなった」
同じキャリアで機種変更をした場合は問題ないが、番号持ち運び制度(MNP)でキャリアを変更した場合は、以前のキャリアメールは使えなくなっているので、LINEからのメールを受け取ることはできない。したがって、パスワードを再設定することができない。
このような事態を避けるため、LINEアカウントに登録するメールアドレスは、キャリアを変えても使い続けられるメールアドレスにしたほうがいい。スマホを変えるときは、登録しているメールアドレスも確認しておきたい。
失敗例3「古いスマホを早めに手放してしまった」
パスワードを設定せずに新スマホへの移行を始めてしまった場合も、救済策がいくつかある。基本的に旧スマホのキャリア契約を解除した後でも、Wi-Fiに接続した状況であれば、旧スマホで移行のための準備をできるのだ。
旧スマホで改めてパスワードやメアドを設定してもいいし、「引き継ぎ設定」をオンにすれば、旧スマホでパスワードを設定していなくても、新スマホでパスワードを設定できる。また、「引き継ぎ設定」がオフのままでも、旧スマホのLINEに「パスワード設定番号」を送るという方法もある。
だがこれらの方法は、旧スマホが手元になければ使えない。安全を考えれば、スマホを下取りに出したりするのは、LINE移行が無事終わってからのほうがいい。
失敗例4「登録されている電話番号が違う」
移行に必要な3つのうち、「電話番号」が違う場合もLINEアカウントは移行できない。移行作業の途中で、本人認証のために、登録されている電話番号へSMSが送られてくるからだ。
「電話番号が違う」というのは、たとえば、こういうケースだ。3大キャリアから格安SIMに乗り換えるなどの理由で、旧スマホの電話番号を途中で変更した(ただしSIMカードを差し替えただけで、スマホは変更していない)。そのとき、LINEに登録している電話番号を新しい番号に変えておくのを忘れてしまった。スマホが同じなら電話番号を変えなくてもLINEはそのまま使えるので、気づかないまま、新しいスマホに変えてしまった。
新しいスマホでLINEアカウントを移行しようとしても、登録している電話番号が、今使っている番号と違う場合、SMSを受け取ることができない。そのため、本人認証ができなくなるのだ。こんな事態にならないために、登録している電話番号が現在のものになっているかを確認しよう。
失敗例5「アカウントを新規作成してしまった」
LINEを新スマホに移行する際、電話番号を入力すると「アカウントを引き継ぎますか?」と尋ねる画面が表示される。ここでうっかり「アカウントを新規登録」をタップすると、以前の LINEアカウントが引き継げなくなってしまう。間違って押さないように注意したい。
LINEの場合、1つの電話番号にひもづけられるのは1つのアカウントのみと決まっている。同じ電話番号で新しいアカウントを作ってしまうと、以前使っていたアカウントは自動的に消滅してしまう。そうすると、以前のLINEアカウントに戻すことはできないのだ。
失敗例6「トーク履歴をバックアップしていない」
アカウントを移行する理由として、「それまでの友達との会話を残したいから」という人は多いだろう。だが、正しい手順で無事LINEアカウントが移行できたとしても、それだけではトーク履歴は移行できないので注意が必要だ。
もしトーク履歴を移行したいのであれば、旧スマホのLINEの設定画面で「トーク履歴のバックアップ」ボタンをタップし、新スマホで「トーク履歴を復元」をタップする必要がある。
LINE PayやLINEスタンプなどの有料アイテムは復旧可能
以上、LINEアカウント移行時に起こりがちな失敗例を紹介した。
これらのパターンでLINEアカウントを移行できなかった場合、「お友だちリスト」や「写真」を失う覚悟で、新規アカウントを作成するしかない。
しかしそんな場合でも、LINE PayやLINEスタンプなどの有料アイテムは復旧可能だ。そのためには、下に記したLINEの問い合わせ先に連絡の上、必要な手順をとる必要がある。
2. 「ログインせずにつづける」をクリック
3. その後に出てくる投稿フォームにメアドを記入
4. 質問ジャンルを限定
5. 質問を記入
6. 送信ボタンを押す
7. LINEご担当者から連絡がくる
(文 井上真花、イラスト Yukian)
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