天守閣や石垣眺め歴史体感 ランニングで巡るお城10選

■6位 松江城(松江市)310ポイント
武家屋敷の風情や情景に浸る

現存12天守のひとつで、2015年に国宝に指定された。城を中心とした城山(じょうざん)公園には神社や明治時代の洋館もあり、「欲張りに城ランを満喫できる。とにかく美しい」(岩本さん)。公園内にコースはない。滑りやすい砂利道もあるが、「平たんな堀沿いを走るもよし、公園内のアップダウンを走るもよし」(増田さん)。

「武家屋敷の風情の中を走っていると江戸時代に戻った気分」(祢津さん)。「城の周りから宍道湖へ橋を渡るコースは絶景」(生島さん)。毎年12月に国宝松江城マラソンを開く。(1)松江城周辺、松江市営バス「国宝松江城県庁前」など(2)ぶらっと松江観光案内所電話0852・23・5470

■7位 姫路城(兵庫県姫路市)300ポイント
距離表示あり、信号少なく

日本で初めて世界遺産に登録された姫路城は白色の城壁で「白鷺城」と呼ばれる。「天守を眺めながらのランニングがぜいたくなものに感じられる」(岩本さん)。城周辺には1周約1.6キロ、折り返し2キロのコースが設けられ、距離表示のポイントもある。平たんで信号が少なく、「近くの男山配水池公園まで走り、丘を登って姫路城を見るのも楽しい」(福島さん)

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止になったが、毎年2月には三の丸広場がゴールになる世界遺産姫路城マラソンが開かれる。(1)姫路城周辺、神姫バス「姫路城大手門前」(2)姫路市スポーツ推進室電話079・221・2796

■8位 岐阜城(岐阜市)260ポイント
高橋尚子ロードから見上げて

戦国武将斎藤道三や織田信長が居城とした岐阜城は金華山(標高329メートル)にある。「走って登るのにほどよい傾斜」(進藤さん)。「家族にロープウエーで登ってもらい、自分は走って登るのもあり」(川内さん)

初心者におすすめなのが、金華山を見上げる長良川公園の「高橋尚子ロード」だ。五輪金メダリストが高校時代に走った、長良橋と忠節橋を結ぶ往復5キロの走路で、シューズの記念碑がある。「ライトアップされた城を眺めながら走るのは楽しみ」(金さん)。毎年4月にぎふ清流ハーフマラソンがある。(1)高橋尚子ロード、岐阜バス「鵜飼屋」(2)岐阜市公園整備課電話058・214・2182

■9位 岡山城(岡山市)220ポイント
川と緑ののどかな風景

天守閣の壁に黒漆塗りの下見板を取り付けたため外観が黒く「烏城(うじょう)」と呼ばれる岡山城。橋で結ばれた日本三名園のひとつ「後楽園」(園内はランニング禁止)と合わせてぐるりと外周を回ると、「まるでタイムスリップしたかのような、のどかな風景を楽しめる」(大森さん)。

市内を流れる旭川・百間川のコースの始点、相生橋付近から城が望め、「観光ランニングに最適」(増田さん)。車両乗り入れ不可の往復3キロ、10キロコースがあり、500メートルごとの表示も。毎年11月に城周辺を巡るおかやまマラソンがある。(1)旭川・百間川ランニングコース、岡山電気軌道「小橋」(2)岡山市スポーツ振興課電話086・803・1615

9位 高知城(高知市)220ポイント
公園内にコース、石段で天守閣へ

江戸時代に築かれた天守が現存し、本丸の建造物がほぼ完全な形で残る唯一の城。1970~80年代に市内20カ所にジョギングコースが設けられた。城を中心とする高知公園にも1.35キロのコースがあり、看板が今も残る。追手門から石段を登って天守閣に向かうことができ、「高低差があり心肺機能を高めるいい練習になる」(祢津さん)。

高知城は、はりまや橋などの観光地に近く「走って巡れば街を満喫できる」(黒崎さん)。毎年2月には高知龍馬マラソンが開かれ、県庁前から太平洋に抜けて春野運動公園にゴールする。(1)高知公園、とさでん交通「高知城前」(2)高知市スポーツ振興課電話088・823・2630

旅先でランニング 観光やグルメ堪能

旅行先で楽しむランニングが注目されている。新鮮な空気といつもと違う景色を眺めながら走り、観光やグルメも楽しめる。初心者でも挑戦しやすいのが、街の中心にある城を巡るコースだ。

今回は天守閣がある城に絞った。「城の周辺にはさまざまな記念碑があり、思わず立ち止まるような発見もある」と城マニアで、国内250のマラソン大会に出場した国土交通省の祢津知広さん。ランニング親善大使の岩本瞳さんは「土地の高低差を感じ、なぜここに城を建てたのか、走ると見えるものがある」。古地図を見ながら走るという楽しみ方もあるという。城は旅先では目印としてわかりやすい。ただ、初めての街だと道に迷ううちに夜中になったり、早朝ランニングで宿泊先に戻れず仕事に遅れたりしないようにご用心を。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けてマラソン大会の中止や縮小に踏み切る動きもある。個人で走る場合も、体調の優れない時は運動を控えるといった拡散防止、うがい、手洗いの励行などの感染予防をしっかりと行いたい。

■ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。城の名称(所在地)(1)主なランニングスポット、交通機関「最寄り駅」(2)問い合わせ先。写真は1、2、6~9位岡山城は三浦秀行撮影。3位は熊本城マラソン実行委員会、4位はスポネット弘前、5位はA NEW DAY 2020プロジェクトチーム、9位高知城は高知県提供。

■調査の方法 専門家の協力のもと、ランニングしながら天守閣を望める33の城をリストアップ。「初心者でも走ることができる」「コースの整備状況」「天守閣の眺望」などの観点からランニングや城郭に詳しい11人に順位付けを依頼。編集部で集計した。(伊藤新時)

■今週の専門家 ▽生島淳(スポーツライター)▽岩本瞳(ランニング親善大使TeamR2)▽内野雅貴(ミズノスポーツサービス事業開発推進部チーフインストラクター)▽大森英一郎(ラントリップ代表取締役)▽川内優輝(プロランナー)▽金哲彦(プロランニングコーチ)▽黒崎悠(月刊ランナーズ編集長)▽進藤昭洋(観光庁スポーツ観光推進プロジェクトチーム)▽祢津知広(国土交通省道路局高速道路課企画専門官)▽福島和可菜(タレント・ランナー)▽増田明美(スポーツジャーナリスト)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2020年3月14日付]

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