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とっておきワイン、持ち込んで楽しむ「BYO」の魅力

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NIKKEI STYLE

数多くの店が立ち並び、東京都内でも有数の飲食激戦区の一つ、渋谷。その中で「ボトル持ち込みOK」を掲げ、ワイン好きらを常連客に抱え込むユニークな戦略でじわり成果を上げている店がある。渋谷区道玄坂にある「ビストロ ア・トワ」だ。

オープンは2019年6月とまだ日は浅い。当初は肉料理主体のビストロだったが、漁師の知人を持つシェフのつてで、瀬戸内から直送される新鮮な魚介類を前面に打ち出し、それをメインにしたフレンチやイタリアンに料理のコンセプトを変更。「居酒屋っぽく、お手ごろ価格で提供し、お酒と一緒に楽しんでもらう店として再スタートした」と、住谷洋祐店長。

客が酒を持ち込む場合、店側はメニューにのせたアルコール販売が落ち込む懸念から「持ち込み料」を設定しているのが一般的。1本2500~3000円ほどするケースもあり、躊躇(ちゅうちょ)する客は少なくない。そもそもボトルの持ち込みは禁止という店もある。

オーストラリアでは店にワインを持ち込み、食事と一緒に楽しむ動きは「BYO(Bring Your Own Wineの略)」と呼ばれ、一般的な飲食スタイルとして定着しているという。

BYOというスタイルに「ビストロ ア・トワ」も賛同し、オープンから丸3カ月が経過した昨年秋に導入を決定。「BYOの店は渋谷周辺では見当たらず、うちの新たなウリになる」との判断で踏み切った。セット料理(税込み料金は3900円と5000円の2種類)の予約客は持ち込み料をタダに。そうでない客でも「1人900円(税別)」とリーズナブルな料金にしたところ、これが客にウケている。

渋谷という場所柄、これまで来店客は若い世代が中心だった。ところがBYOを始めて以降、「ワインにこだわりがある30~40代の男女や、ワインスクールの受講生からの団体予約が舞い込むようになった」。住谷店長は確かな手ごたえを感じている。

持ち込んだボトルだけでは飲み足りず、店のグラスワインやボトルを追加で注文する客も出てきた。結果として「店にストックしてあるボトル類の回転が向上し、その結果として、グラスワインがより良い状態で提供できるようになったり、仕入れるボトルの種類が広がったりしてきた」。BYOは店側にもメリットをもたらしており、「始めてよかった」と住谷店長は笑顔を見せる。

実はこの店にはもう一つ、ワイン好きらを呼び込むための仕掛けがある。阪急百貨店が運営する「Winomy(ワイノミ)」というウェブサイトだ。ワイン持ち込み可能な飲食店が検索でき、予約もできるサイトで18年秋にスタートした。

「ビストロ ア・トワ」もワイノミ加盟店の一つで、同店へワインを持ち込む客の8割方は「ワイノミ」経由、その6割以上がコースを選択している、という。そんな客の需要に応じ「ワイノミ」限定のディナープラン(税込み4000円)まで用意した。冷菜、温菜、メーンなど一皿ごとに工夫をこらし、泡、白、赤の順でワインが飲めるようになっている。

サイトを立ち上げた阪急百貨店BYO事業の千賀啓司事業部長は、「サイトは新規事業開発の一環として始めたもので、お客様の悩みごとの中にヒントがあった」と明かす。贈り物としていいワインをもらったのに、それを家で出す場面がない。記念日などの食事会の場で、思い入れのあるワインを開けて、みんなで楽しみたい。ヒアリングしてつかんだニーズを踏まえ、ワイン好きの人と飲食店とをつなぐプラットフォームづくりが出発点になった、と千賀部長。『ワイノミ』というネーミングは、ワインとガストロノミー(美食)を合わせた造語という。

「ワイノミ」に現在加盟する店舗は東京や横浜、大阪エリアのフレンチやイタリアン、和食、中華料理店など250店ほど。ワイン愛好者のすそ野を広げようとほかの百貨店やワインショップとも連携。東京・新宿高島屋や東急百貨店、エノテカなどのワインショップの店頭でワイノミのチラシ配布も始まっている。

「ワイン1本1本に物語があるのと同様、そのワインと出合ったあなた自身のストーリーもある。それらを肴(さかな)に、おいしい料理と一緒に楽しめば、豊かな時間につながる」。千賀部長は日本でのBYO普及に腰を据えて取り組む。

ワイン愛好者の来店客が増えてきたことをにらみ、「ビストロ ア・トワ」もシャルドネ品種の白ワインやデザートワインの3種の飲み比べセットなど新たな趣向をこらしたメニューを用意したところ、これまた相乗効果を生んでいるという。

個性ある店舗づくりで、厳しい競争を勝ち抜くために「ボトル持ち込みOK」や「BYO」が今、キーワードの一つになっているようだ。

(堀威彦)

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