ひつじ それだけやはり努力してきたことの結果だと思うので、本当に迷ったときの最後の決め手にはなるかなと。
うさぎ オオカミさん、ほかの会社もそうですか?
オオカミ 会社によりますが、中には「顔は美人系よりかわいい系がいい」とかビジュアルで決めるところもあるぐらい、面接ってなんとなくで○か×かが決まっちゃうものです。面接が3~4回あるような大手だと、もはや内定は偶然の産物なんじゃないですかね。落ち込んで就職留年する人もわりといますけど、次行けって思いますね。
うさぎ それって転職マーケットに誘導してません?(笑)
オオカミ それもありますが、1~2年就活に使って消耗するぐらいなら、さっさと1~2年働いて職歴つけてからまた勝負したらいいじゃないかという気がします。
幹部候補にはこっそりと最初から差をつける
うさぎ 今まで選考について聞いてきましたが、採用後のことについても聞いていきましょう。幹部候補を決めるなど内定者の中で差を付けることってやっていますか。
ひつじ やっています。
うさぎ 言い切ったよ(笑)。幹部候補の割合は、新入社員のどのぐらい?
ひつじ 5%くらいですね。
オオカミ 少ないですね。
ひつじ 年収が200万円ぐらい違いますから。
うさぎ それは同期とかにもわかっちゃうものですか。
ひつじ いいえ、本人にだけ伝えます。
うさぎ 飲みながら、自分は給料高いって言っちゃいそうじゃないですか。
ひつじ 言うなよって言っていますが、ばれるでしょうね。でも仕方ないかなと。多少のリスクはあっても、優秀な人にはそれなりの対応をしないと辞めちゃったりしますから。
うさぎ 最近は大企業にせっかく入社できてもすぐに辞めちゃうという話をよく聞きますが。
ひつじ そうですね、最初の1年で10%ほどが離職しますね。その内容が問題で、5年以上前だと、社内でうまくいっていない人が辞めるケースが多かった。でも最近はそうでもない。むしろ社内で今後活躍できるのが約束されているような優秀な人が辞めてしまう。これは悩みどころです。
うさぎ 転職マーケットで待ち構えているオオカミさん的にはおいしいのでは?
オオカミ おいしいというか、面白いなと思って。実は「最近若手がすぐ辞める」って言われてますけど、入社後1年で10%、3年で30%という数字はずっと変わらないんですよ。でもその中身が変わって、優秀な人から辞めていくというようなことが起こっているんだと思います。
うさぎ となると、今までの採用方式でいいんですか?
ひつじ 採用方式を変えても将来どうなるかは分からないので。優秀な人に入ってもらって、そういう人たちが働き続けたいと思えるキャリアをいかに提示できるかが、人事のチャレンジですね。
うさぎ 人事ってつらそうな仕事ですね……。
ひつじ 人事ってそういう仕事ですから。
うさぎ なるほど。深みを感じます。今回の就活あなぐらトーク、良い意味で就活の幻想を打ち砕いてきた時間だったかなと思いますが、最後にそれぞれ学生へメッセージをお願いします。
ひつじ 「就活は運である」ということですかね。
うさぎ えっ? ガチャのようなもの?
ひつじ まあ、そうですね。先ほど面接以外でもアクションを起こしてくれるような学生さんには、きちんと時間を作ってお話しますとと言いましたが、何かしら行動すれば、もちろんハズレもあるとは思いますけど、良い結果になることの確率が上がると思います。
オオカミ 今の話にも近いですが、うまくいかなくても絶望する必要はないのかなと。会社の形も働き方も変わってきているのに、就活のマインドって20~30年前とあまり変わっていない気がします。就活がうまくいかず引きこもりになるようなケースも見てきましたが、あまり一発勝負だと考えすぎない方がいいということを是非、伝えたいですね。
うさぎ お二人とも腹黒いと思ったら、結構いい人だったんですね(笑)。また大手町の洞窟に遊びにきてくださいね。