ひつじ 面白いと言うとハードルが上がってしまうかもしれないですけど、他の人と違う何かを持っているかというところは見ています。人と違う持論がある人には興味を持ちますね。
説明会で「不機嫌な人」に声をかける理由
うさぎ 選考が始まるとまず説明会があるじゃないですか。そこでも集まった学生をチェックしているという噂もありますけど。
ひつじ よく見ています。
うさぎ うわ、やりづら(笑)。見ているというのは、どんな人を?
オオカミ 例えば前列で熱心にメモとっている人とかいますけど、そういう人ですか。
ひつじ いえいえ、どちらかと言うと、不機嫌そうな人とか、ちょっと首をひねって聞いている人がいたら、面白そうだなと思ってチェックしますね。
うさぎ これはすごい情報。しかし、説明会に来て不機嫌っておかしくないですか?
ひつじ 普通に考えればおかしいんですけど、実は自分なりの意見を持っていたり、こちらの話す内容が本当なのかを吟味しながら聞いていたりしている人も結構いて。チェックしておいて、声をかけることもあります。
うさぎ どうやって声をかけるんですか。
ひつじ 休憩中に、さっきの話どうだった? って聞くと、実はここがよくわからなかったとか、実際のところはどうなんですかとか、質問で返してくれて話が盛り上がることもあります。
うさぎ なるほど。それは結構、いいですね。ほかに何か見るポイントってありますか?
ひつじ 選考プロセス以外のところで何かアクションをとってくる人は気になりますね。例えば選考の後半で、面接以外で社員と話してみたいので紹介してほしいと言ってくる学生には、個別で面談を設定したりします。
うさぎ へえ。行動したほうがいいんですね。しかし、多くの人はルールを破るとまずいんじゃないかと思っちゃいそう。
ひつじ だってそもそも禁止していないので、やればいいじゃんって思いますね。
うさぎ 印象勝負なんですかね。ESは2万件もあったらどうやって見ているんですか。
ひつじ たいして見ていないですね。1件で30秒ぐらいでしょうか。
うさぎ おいっ。全然見ていない(笑)。
ひつじ 基本的にESは話のきっかけぐらいにしか考えていなくて、うちの場合は内容によって優劣はつけていないです。さすがに1行とかだと厳しいですが。ふるいをかけるという意味だと、グループディスカッションですね。
うさぎ どういうふるいのかけ方をしているんですか。
ひつじ そこは難しいところなんですよね。グループディスカッションで優劣がわかるんですかと問われると、実はそんなにわからない。ですが、その中で少し自分の意見があるなとか、何か少し考えてきたなというのが見えるかどうか、というぐらいのものです。
オオカミ ひつじさんの会社は珍しい方だと思います。これだけ巨大企業なのに結構ちゃんと見ている。ほかの企業だと初期段階で、そもそも学歴が低いからだめとか、写真の見栄えでNGとか、字が汚いとか、そんな理由で落としますから。
学歴? 当然見ますよ
うさぎ それが現実……。しかし、ひつじさんのところ、意外に先進的な会社なんですね。もう少しぶっちゃけて聞いていいですか。例えば面接でAさんとBさんの評価は同じぐらいでどっちを通そうか迷うとき、どういうところを見ますか。
ひつじ 同じぐらいの評価で、高学歴な人とそうでない人がいたときには、高学歴な人を採ることが多いですね。
うさぎ 高学歴というとどのぐらい?
ひつじ 旧帝大や、早慶などの難関私大ぐらいのイメージですね。
うさぎ なぜですか。