N
マネーコラム
カリスマの直言

2020/3/16

カリスマの直言

世界の時価総額上位100社のうち年初から3月9日までで株価上昇率をランキングすると首位が米電気自動車(EV)メーカー、テスラの45.3%(時価総額12.3兆円)、2位が米製薬大手ギリアド・サイエンシズの13.1%(10.2兆円)、3位は再生エネルギー最大手の米ネクステラ・エナジーの7.9%(14.1兆円)である。

ここで注目すべきは自動運転開発で世界をリードするテスラである。時価総額は年初に8.3兆円だったが5割近く増えており、米ハイテク企業の強さを象徴している。創業者で最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏の自由奔放な言動は、米アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏を思い起こさせる。

米S&P500の時価総額に占める上位5社(米マイクロソフト、米アップル、米アマゾン、米アルファベット、米フェイスブック)の比率は18年末で15.4%だったが、3月9日時点では19.1%に上昇している。5社は継続的に利益を生む仕組みであるサブスクリプション(定額課金)モデルによって差別化されたサービスを提供する点が共通しており、株価は新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず堅調さを保っている。

日本企業は一般的にモノづくりと自社生産に過度にこだわる傾向があり、世界的なプラットフォームビジネスに出遅れている。このため日米の株価格差は当面広がりこそすれ、縮まることは考えにくい。ただしソニー、キーエンス、リクルートホールディングスなど世界で活躍できる企業があることも事実であり、日本株については米国株以上に選別投資をしていくのが適切であろう。

藤田勉
一橋大学大学院経営管理研究科特任教授、シティグループ証券顧問、一橋大学大学院フィンテック研究フォーラム代表。経済産業省企業価値研究会委員、内閣官房経済部市場動向研究会委員、慶応義塾大学講師、シティグループ証券取締役副会長などを歴任。2010年まで日経ヴェリタスアナリストランキング日本株ストラテジスト部門5年連続1位。一橋大学大学院修了、博士(経営法)。1960年生まれ。
注目記事