中国人の訪問者が世界で最も多いタイの感染者数は3月9日時点で50人にとどまり、同じく中国人の訪問者が多いシンガポールなど気温の高い東南アジア諸国も感染者数が少ない。もちろん新型コロナウイルスの感染と気温の関係について定まった医学的根拠はまだないが、タイやシンガポールの例に基づくと東アジアや欧米などで気温が上昇する季節になれば感染拡大は次第に鎮静化することが期待できそうだ。完全収束まで時間はかかるものの、新型コロナウイルスはある程度制御可能であることを示している。

3月9日以降に株安が加速したのは新型コロナに加えて原油価格の急落がある。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は12日時点で年初来49%下落している。追加減産を巡ってロシアとの結束が崩れ、サウジアラビアが増産方針に転じたためだ。原油急落が長期化すれば金融危機を生みかねず、筆者は新型コロナよりもむしろ原油価格の今後の動向が重要だと考えている。

政府・中銀の政策発動、各国で相次ぐ

米連邦準備理事会(FRB)は迅速に利下げに踏み切るとともにパウエル議長は景気動向次第で追加利下げをする考えを示唆した。英イングランド銀行(中央銀行)が11日に緊急利下げを決めたのに続き、欧州中央銀行(ECB)も12日に量的金融緩和政策の拡大を決定した。今後も各国政府・中銀は追加景気対策や金融緩和を実施するだろう。仮に北半球の気温が上昇するにつれて新型コロナウイルスの感染拡大も収束すれば、世界の株式相場はハイテク株を中心に本格反転することが予想される。

そこで気が早いと言われるかもしれないが、今から相場の反発に備えたポートフォリオを検討する必要がある。感染拡大の収束がみえたとしてもグローバルサプライチェーン(供給網)の再構築など経済活動が軌道に乗るまでに時間はかかる見通しで、低成長が当面続く可能性は大きいため、そうした環境下でも利益成長が見込める銘柄が選択肢となろう。

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