投資の本質 「もうけを増やす」にあらず(澤上篤人)さわかみ投信会長

日経マネー

写真はイメージ=123RF
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世の中では、「投資教育をすべし論」がやたらとかまびすしい。そこで今月は「オイオイ、ちょっと待ってくれよ」というアドバイスの意味も込めて、世間がやるべしと言う「投資教育」とやらを、草刈と改めて議論してみよう。

投資の目的は自分の幸せだけ?

澤上篤人(以下、澤上) 一般的に「投資」と言えば、多くの人にとっては「どうやってお金を増やすか」とか、「どうすればうまく値ざやを稼げるか」とかが最大の関心事だろう。要は「いかにもうけるか」の話ばかりだ。

だから、投資の教育と言いながらも、その中身を見るともうけ話の延長線上の議論しかしていない。すなわち、お金を増やして老後に備えたい、年金は当てにできないから何とか稼がないと、といったレベルの話に終始してしまっている。

草刈貴弘(以下、草刈) 最近はセミナーでもこの手の質問というか、意見が多いですよね。日本は金融教育、投資教育ができていないから経済が成長しないのだ、貯蓄から投資への流れが進まないのも投資教育の欠如が原因だ……といった主張です。

しかし、澤上会長も同じだと思いますが、私は幼少期や学生時代に金融や投資の教育など受けたことがありません。むしろ社会に出てから、仕事を通して金融のダイナミックさ、スケールの大きさに魅了されたクチです。

今も投資先を探す時には、企業や製品、事業などを歴史的背景も含めて調査しますが、その課程で「あの時習ったあれが、ここでつながるんだ!」という発見や、新しい技術の可能性に触れてワクワクする感じが止まらない……といったことがよくあります。これこそが投資の本質だと思います。正直、投資のための教育と言われてもピンとこないんですよね。

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