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2020年春季労使交渉に向けた共同インタビューに応じる連合の神津里季生(りきお)会長(22日、東京・千代田)

2020年春季労使交渉に向けた共同インタビューに応じる連合の神津里季生(りきお)会長(22日、東京・千代田)

イチ子 「日本型雇用の見直し」というニュースを聞くようになったわ。日本企業は同じ人を長く雇ってきたけど、変わり始めたみたいよ。
 からすけ 会社で働くのはどこの国でも同じようなものじゃないの? 何か、日本独自の仕組みや考え方があるのかなあ。

優秀な若者の待遇改善

イチ子 企業が働く人を雇う「雇用システム」を見ると、日本では終身雇用と年功賃金という2つの特徴があるのよ。大きな企業の社員はこれまで、大学を卒業すると同時に会社に採用されて、定年で退職するまで長く働き続けることが一般的と考えられてきたの。終身雇用と呼ばれる働き方のことね。

給料がその会社で働いている年数や働く人の年齢に応じて段階的に上がる仕組みが年功賃金よ。勤続年数が長くなるほど給料が高くなるから、多くの人はその会社に長く居て真面目に働こうとするわ。

会社には長期的に従業員を育てられる利点があるの。終身雇用と年功賃金は、会社と社員の双方にメリットがあったのよ。

からすけ そうなんだ。それがなぜ、変わり始めているの?

イチ子 きっかけは経済界の総本山といわれる日本経済団体連合会(経団連)の会長が、日本的雇用制度を見直さざるを得ないと発言したことよ。日本最大の製造業であるトヨタ自動車の社長も「今の日本(の労働環境)を見ていると、雇用をずっと続けている企業へのインセンティブ(動機づけ)があまりない」と発言したわ。こうした意見にうなずく経営者は多いの。

経済界は今、春季労使交渉(キーワード)の真っ最中よ。これまでは賃上げの額や上げ幅に関心が集まりやすかったの。今年は日本的雇用制度のあり方もテーマになっているわ。

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