子宮頸がん引き起こすHPV 感染すると必ずがんに?

日経Gooday

答えと解説

正解(間違っている記述)は、(2)HPVに感染しても、約半分は自然に排除される、です(正しくは、「HPVに感染しても、約9割は自然に排除される」)。

子宮頸がんは子宮の入口(頸部)にできるがんで、ヒトパピローマウイルス (以下、HPV)というウイルスへの感染によって起こります。HPVは主に性交渉によって感染し、多くの女性が一度は感染すると言われるほど、ごくありふれたウイルスです。しかし、感染したすべての人ががんになるわけではなく、約9割の人は、免疫の力でウイルスが自然に排除されます。

残る1割の人は、ウイルスが持続的に感染して「異形成[注1]」と呼ばれる段階になり、そのうちの一部が子宮頸がんへと進行します。「異形成からがんになるまでの期間は年単位で進むほど長く、10年以上そのままということもあります。がんにならないで、異形成の段階から引き返して治る人も多くいます」と、慶應義塾大学病院婦人科診療部長・医学部教授の青木大輔氏は話します。

子宮頸がんを防ぐには、ワクチンで予防することが大切です。「HPVワクチンは、計3回の接種で感染を7~9割防ぐことができます。この効果は、世界各国のデータからも明らかです。男性の感染を抑えれば女性の感染も減るので、オーストラリアでは男児への接種も始まりました。同国では、ワクチンの効果で、子宮頸がんはまれながんになると推計されています」と青木氏は話します。

一方、子宮頸がん検診は、自治体が行っている「細胞診」を2年に一度受けるのが一般的です。細胞診は、子宮頸部の表面の細胞を、プラスチック製のブラシやへら状の専用の道具でこすり取り、細胞の状態を調べる検査で、がんになる前の「異形成」の段階で発見することが可能です。「子宮頸がん検診は、20代から、2年に1度のペースで受けることをお勧めします。しかし残念ながら、2年に1度の子宮頸がん検診を受ける人は対象者の50%以下にとどまるのが現状です。まさかそれほど若いうちにがんになるとは思わない人が多いのでしょう」と青木氏は話します。

現在日本では、年間1万人以上の女性が子宮頸がんを発症し、約2800人が死亡しています。患者は20代後半から急増し、ピークは30~40代と、妊娠・出産を希望する年代の女性に多いのが特徴です。HPVワクチンと検診の両輪で、予防と早期発見を進めることが大切です。

[注1]ここでは「異形成」という用語を使ったが、現在では「子宮頸部上皮内腫瘍(上皮内がん)」(cervical intraepithelial neoplasia; CIN)と呼ばれるようになっている。

[日経Gooday2020年3月9日付記事を再構成]

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