2020/3/12

近大マグロや琵琶湖のブラックバス使い新たな革づくり

鮮やかな色調がブラックバス、右下は近大マグロ。独創的な革に次々挑戦する

新田さんは馬革を通じて世界に誇る一流のなめし技術を習得したが「これで完成というものはない。まだまだいいものを開発させていきたい」とチャレンジ精神旺盛だ。その意気込みを示すものとして見せてくれたのが、鮮やかなオレンジや黄色のグラデーションが美しい、キーケースや名刺入れだ。蛇皮のような一風変わった模様の革は、なんとマグロとブラックバスのもの。「マグロはマグロでも近畿大学が養殖した近大マグロ。ブラックバスは琵琶湖産です」(新田さん)。これまで誰も手がけたことがない皮は一体何だろう、と探し続けた結果、目を付けたのがこの魚だった。2年ほど前に大阪の店舗で「KINDAI Tuna & BIWAKO Black Bass」(近大マグロと琵琶湖ブラックバス)という名の商品ラインでひっそり売り出した。

釣り好きの新田社長がよく行く琵琶湖では、ブラックバスは食用にされ、皮が残る。「まさに資源の再利用です。近大マグロも調理に適した大きさに切り分けられたあと、皮はほとんど捨てられてしまう」。そうした皮を集めて冷凍保存し、ていねいになめして加工する。

新喜皮革には、職人をめざして若者が全国から集まってくる

これまで魚類ではサケ、サメ、エイ、ウナギなどが革製品に加工されてきたが、マグロやブラックバスは例がない。「魚はどうや、と言うと、趣味の釣りでそんなことして、と社内では最初反対されましたけど(笑い)。オレンジは金魚、黄色は南米の金色の魚から着想しました」。今年は東京で大々的にお披露目する計画で、その日に備えて新色に取り組む。実はその革の染色でもアイデアがあるという。「サステナブルといえば植物染め。魚シリーズには水草を使った植物染めに挑戦したいんです」。馬から魚へ、技術はさらに深化する。

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

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