潮目変わった転職市場 「できること」重視で道を開く経営者JP社長 井上和幸

ミドル・シニア層の「軸足なし」転職は無謀

例えば「やりたいこと」軸でピボットすると、それは必ずしも企業からみて「あなたに期待すべきことに思えない場所」に転回してしまう可能性があります。いくらあなたがやりたいと思っていても、企業側からはあなたが「できる」と感じられない、あなたに「求めたい」ことは別のことだとなってしまいますと、残念ながら転職での縁を得ることはかないません。

最も危険なのは、軸足なしに両足とも動かしてしまうことです。新卒や第二新卒世代ならよいですが、ミドル・シニア世代が「未経験・ポテンシャルゾーン」に飛ぶのは危険でしかありません。率直に言えば、企業側からしますと、そうした応募は迷惑でしかないのです。

中長期的観点での転職(自身のさらなる成長と仕事力のレベルアップを果たす、よりやりがいのある、望ましい職務を得るための転職)を考えているミドル・シニアにとって、軸足がはっきりしているか否かが非常に重要です。

「キャリアピボット」転職=「あなたができること」を軸足にして、「あなたがやりたいこと、企業から求められること」へと回転

上記の式のカッコ内に、あなたは自分の文章を書き込めますか。これは、あなたの「できること」は確立されていますか、明確化されていますか、自覚できていますかという問いに等しいのです。

サッと書き込めた人は、ぜひ信頼できる近しいどなたかにそれを見てもらってください。「確かに、その通りだね」と言ってもらえれば合格です。

もしこれを書き込めなかったという人は、転職活動において日々、様々な求人案件に応募していると思いますが、いったんストップし、その前にまず、この公式を自分が腑(ふ)に落ちるものとしてしっかり確立させてください。それができれば転職活動の8割は完成です、あとはそれに沿って具体的な求人話を、公式に当てはまるか否かフィルターにかけていけばよいのですから。

ピボットなどせずにひたすらまっすぐ進む(=同一の職務、同一の専門性を生涯、極め続ける)道も、もちろんあります。

ただ、時代は変わります。その激しさは21世紀に入り激しさを増すばかり。これまで以上に、今日存在している職務が5年後、10年後にそのまま存在しているということは全く約束されない世界に、私たちは生きています。

そうであれば、軸足をぶれさせないようにしつつ、もう片方の足は何かこれまでと違う場所に時折置き替えてみるのも悪くありません。キャリアピボットが新しい自分を発見させてくれることも、非常に多くあるのです。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。

井上和幸
経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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