無意識の偏見排除 ユニリーバ、採用で性別記載を廃止

2020/3/10

働く女性は増えたが、正規の職員・従業員数は3分の1にとどまる。リクルートワークス研究所によれば18年度新卒採用の女性比率は38.2%で企業規模が大きいほど比率は下がる。

入り口となる「採用」の見直しを若者はどう評価するのか。通年採用を導入している同社は「3カ月程度で結果は出てくる」としている。

島田由香・人事総務本部長 「書類だけで判断」は間違い

――書類段階で性別に関する情報を排除しても、面接では顔を合わせることになる。

「採用の過程でバイアスが全くなくなるとは思っていない。面接して『この人はこういう人なんだ』とイメージするのは当然だし、悪いことでもない。問題は、面接前の過程で勝手に良しあしを判断し、学生が本来得られるべきチャンスを奪うことだ」

「例えば、日本企業では『女はいらない』『女の子にこの仕事はできない』など、書類の情報だけで本人の経験や強みを見ずに判断するケースがある。それは違う、と今回の私たちの取り組みを通じて、日本企業全体に伝えたい」

「採用において大切なのは、誰がこの業務を担当すると最もROI(投資利益率)が高くなるか、この志願者にはどういう強みがあり、どんなチャンスがあればもっと伸びるのか、という点だ」

「過去にはエントリーシートを提出してもらったこともあるが、お互い労力と時間の無駄と分かってやめた。形にこだわる必要はない。書類を作り込むより、素の自分を出して話し、お互いに合えば一緒に働こうというのが採用だ。感覚値ではあるが、エントリーシートを廃止した今の方が採用の精度は高く、欲しい人材が確保できている」

――英蘭ユニリーバは全世界で女性管理職比率50%を達成したと発表した。1年前倒しでの目標達成だが、日本は38%にとどまる。

「社員の女性比率は37%なので悪い数字ではない。昨年の新卒は女性が7割。増えることはいいが、数字を満たすことだけが目的ではない。問題なのは、世の中が変わっているのに古い考えを持った人が管理職にいて、その席が空くまで次の世代が上にいけないこと。循環をどれだけスムーズにできるかが私たちの課題だ」

「1月に就任したユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングのサンジェイ・サチュデヴァ社長が賀詞交換会に出席してびっくりしていた。『女性が3人しかいなかったぞ。なんでなんだ』。いろいろな人がいないと視点が偏る。その一つの側面が男女だと考えている」

(女性面編集長 中村奈都子)

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