賃貸住宅、経年劣化は大家負担 法改正でルール明確に

写真はイメージ=PIXTA
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契約ルールの基本を定めた改正民法(債権法)が4月から施行される。アパートなどの賃貸借契約に関するルールが明確になり、退去時の敷金の返還や原状回復義務の範囲が規定されたほか、部屋の設備の故障などで家賃が減額されることが明記された。4月以降に新たに物件を借りたり契約を更新したりする場合は内容をよくみておきたい。

現行民法では敷金の定義や原状回復の範囲が明確でなく、大家と借り主の間でトラブルが発生しがちだ。改正民法はこれまでの裁判例や国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などに沿ってルールを明確にした(図A)。

敷金については、どんな名称であっても、賃貸借契約によって借り主が大家に対して負担する金銭債務を担保するために大家に預けるお金との趣旨を規定。退去時に大家は債務を控除した金額を借り主に返還しなければならないとした。具体的には、月家賃の滞納があれば、それを敷金から差し引いた残額を返還するということになる。

故障なら家賃減額

原状回復義務は原則として借り主にあるとしながらも、その範囲について明確化。借り主の不注意によって床や壁を汚したり傷つけたりした場合を対象とし、普通に暮らしていて生じる損耗や経年劣化は含めないこととした。

エアコンや給湯器といった設備の故障、屋根など建物の一部が破損して使用できなくなった場合、現行民法は「借り主は賃料の減額を請求できる」としていた。改正法はその程度に応じて「賃料が減額される」と明記した。

どんな故障でどれだけ減額されるかはケース・バイ・ケースだ。日本賃貸住宅管理協会(東京・千代田)が目安を示している(図B)。

例えば給湯器などが故障し、風呂が使えないときの減額割合は月家賃の10%となる。期間に応じて日割り計算するのが原則だ。月家賃が10万円、10日間故障したとすると家賃10万円の10%に当たる1万円を30日で割る。免責期間がこのケースで3日間あるため、その分を引いて7日分、2333円が減額となる。

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