手書き生かす仕事向けノート アイテア広げ、検索性も納富廉邦のステーショナリー進化形「大人のためのノート」前編

ビジネスシーンで活躍する、工夫を凝らしたノートを紹介する
ビジネスシーンで活躍する、工夫を凝らしたノートを紹介する

今では当たり前のようにビジネスの現場で用いられているノート。だが、文具を見続けてきた納富廉邦氏によれば「ビジネス用途のノートが製品として当たり前に販売されるようになって、まだ10年もたっていない」という。仕事で使うノートの歴史と製品について、納富氏が解説する。

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意外に思えるかもしれないが、今から10年前、多くのビジネスマンにとって日常的にノートを使うという習慣はなかった。必要なときはメモ帳や手帳、システム手帳などを主に使い、それで足りない場合には大学ノートやリポートパッドを使うというのが一般的だったように思う。黄色いリポートパッドである「リーガルパッド」が流行したことを覚えている人も多いのではないか。ビジネスノートという存在は今ほど身近ではなかった。

画期的だった横長ノート

ハッキリと「仕事で使うノート」というコンセプトを打ち出した最初の製品の一つが、2008年に商品化されたリュウドの「Thinking Power Notebook」だろう。

「仕事で使うノート」というコンセプトを打ち出した「Thinking Power Notebook」。左がA5横長の「ネイチャー」(税別350円)、右がA5縦長の「ジャーニー(Journey)」(税別238円)

代表的な大学ノートであるツバメノートをベースにしているこのノートは、竹村譲氏(富山大学芸術文化学部非常勤講師、元日本IBM)と遠藤諭氏(アスキー総合研究所所長)が「自分たちが使いたいツバメノートのオリジナルモデルを作りたい」と考えたところから生まれたのだが、後のビジネスノートに共通する要素が多く含まれている。

まずは高品質の紙。ツバメノートが採用するツバメ中性紙フールスを使用し、書き心地の良さを考慮した。ケイ線には図や表も書きやすく、縦にも横にも書ける5ミリ方眼ケイを採用。書いた後のスキャンやコピーがしやすいように、全ページにミシン目を入れ、切り離せるようにした点も新しかった。表紙デザインにはイラストレーターのYOUCHAN氏を起用し、大学ノート的なテイストは残しつつ、新しいデザインの表紙を作った。

ケイ線には縦にも横にも書け、図や表も書きやすい5ミリ方眼ケイを採用
各ページがミシン目で切り離せる。スキャンしたりコピーを取ったりするときに便利

中でも画期的だったのは、最初からB5、A5横長ノートを発売したことだろう。アイデア出しや人の話を聞いてまとめる作業、構成や構造を考えるときなどは、従来の縦型ノートより横長のほうが使いやすい。そのことにいち早く気がついたのも、Thinking Power Notebookの先進性だった。このノートに感銘を受けた筆者は、A5横使いノートの使い勝手の良さをさらに補強したいと考え、専用ノートケース「Note Me」を開発してしまったほどだ。

まず横長のノートを出して、その後に通常の縦長ノートを出したのも画期的だった。それまで、アイデアをまとめたりインタビュー取材に便利な横型ノートがほとんどなかったのだ
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