過去の評価引きずらない 成長する会社を見分ける条件20代から考える出世戦略(79)

横並びでない評価が機能する組織の条件

そもそも横並びの評価ばかりだと、組織に属する一定割合の人たちがほぼ確実にフリーライダーになってしまいます。やってもやらなくても同じなら、やらない方を選んでしまう人たちは必ず生まれます。

組織全員が緊張感をもって活躍するためには、優れた行動や結果を高く評価することは有効です。しかしそれだとチームワークが阻害される場合がある。組織不和が生じてしまう可能性が高まるわけです。

このような課題を超えて成長を実現した企業の特徴は、組織に早い新陳代謝が存在していたことでした。

いえ、より正確に言えば、新陳代謝を選ばざるを得なかった企業で、優れた行動や結果を高く評価する仕組みが機能したのです。

組織の新陳代謝とは、定年を待たずに人がやめ、新卒でない形で人が採用される状態のことを指します。つまり、人が辞めてしまう組織において、横並びでない評価が機能したということですが、その理由はなんでしょう。

それは、悪い評価を受けた人が、ごくあたりまえに転職を選ぶようになったことです。そして、空いたポストに外部から人を入れるようになりました。

このことは、辞める人にとっても、途中から入ってくる人にとっても、良い影響を及ぼすようになりました。

前回記したように、社会人にとっての評価は決して努力だけで決まるものではありません。たまたま低い評価を得てしまう可能性は誰にでもあるのです。どんな優秀な人でも、たまたま低い評価になる可能性があります。

しかし、定年まで終身雇用されることが当たり前の会社で低い評価を得てしまうと、そこで貼られるレッテルを払しょくすることはとても難しくなります。このレッテルをはがすためには、どうしても新しい組織に行くしかありません。そのためのわかりやすいきっかけが転職であり、転職後の再出発です。

それはあたかも、中学校や高校を卒業して、次の学校でデビューすることに似ているかもしれません。

一度ついたレッテルをはがすきっかけを作ること。いつまでも過去の評価をひきずらない社風を作ること。それができた会社は、横並びから脱却して、強い組織として再出発するようになりました。

卒業とデビューがある組織は、健全な成長を肯定します。

転職という形でなくとも、たとえば異動により卒業に近い形式をとることはできます。

仮に失敗したとしても、評判を含めてやり直しができる状態を作り出すことで、組織は活性化します。

あなたの会社では、失敗した人がやり直す仕掛けがあるでしょうか? もしそうなら、優れた行動をとったり結果を出したりした人に対して高い評価を与える仕組みがうまく機能する可能性が高まります。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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