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職場の悩みの多くは人間関係に原因がある(写真はイメージ)=PIXTA

職場の悩みの多くは人間関係に原因がある(写真はイメージ)=PIXTA

広い意味での「人間関係」は、今も昔も職場でトラブルを引き起こす最大の原因だ。退職理由になるケースも多い。『「職場のやっかいな人間関係」に負けない法』(三笠書房)を書いた飯塚健二氏は「やっかいな相手にもタイプがある。傾向を見極めて、応じ方を変えれば、あつれきは減らせる」とアドバイスする。タイプ別の向き合い方を教わった。

退職理由の大半は人間関係

いきなり日本でも浸透したリモートワークには、感染を抑える効果だけでなく「落ち着いて働ける」「仕事がはかどる」というメリットも期待されている。集中力が高まる理由の一つに挙げられるのは、直接的な人間関係を避けやすくなる点だ。「嫌いな上司・同僚の顔を見ない」「声が聞こえない」というだけで気持ちがささくれ立つのを避けられるメリットは、小さくない。3度の転職経験を持つ飯塚氏は「同僚らと顔を合わせる職場では、対人ストレスでくたびれている働き手が多い。退職理由も本音では大半が人間関係」とこの問題の根深さを指摘する。

他人との相性に関しては、昔から「馬が合わない」「生理的に無理」など最初から改善を諦めてしまう考え方がある。「性格の不一致」は芸能人の離婚理由としてしばしば使われてきた。しかし結婚相手と職場の同僚は違う。飯塚氏は「そもそも性格を一致させる必要がない。相手に正面から向き合おうとすると、かえって自分がすり減りがち。むしろ相手のタイプを見極めて、受け流すような対応のほうが自分はダメージを受けにくい」と、しなやかなかわし方を促す。

上手に受け流すには、まず相手のタイプを見極める必要があると飯塚氏は説く。自説を主張したがる相手に同じように張り合うと、さらに相手が興奮して言葉を荒らげるおそれがあり逆効果になりかねない。「とうとうと語りたがる相手には、まず思う存分しゃべらせてやるほうが摩擦を起こしにくい。そのうえで相手のペースで話を進め、衝突を避けるのがストレスを抱えずに済む応じ方」だという。「先を譲ることで『こちらのほうが大人』という気持ちのゆとりもできる。時には目先の勝ち負けよりも、ストレス回避を優先したい」(飯塚氏)

独断型に有効な「問いかけ」

エネルギッシュに突き進むタイプの人は、トラブルメーカーにもなりやすい。自分の目標・ゴールにまっしぐらのせいで、同調しない人を敵視したり、ペースの合わない人を攻撃したりしがちだ。ただ、結果を出すキャラクターでもあるので、経営サイドからは重宝がられることも多い。つまり、敵に回すと面倒なタイプだ。こういう相手には「相手が仕事で大事にしている点を見付けてできるだけ目標を共有すると、いさかいを避けやすくなる」(飯塚氏)。ゴールを設定するかどうかでは争わず、目標の数値を合理的なレベルに整えるような寄り添い方だ。形の上ではゴールを共有しつつ、猪突(ちょとつ)猛進ペースに巻き込まれない立ち回りともいえるだろう。

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