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8K有機ELテレビ 緻密な描写、ホームシアターの本命か

「年の差30」最新AV機器探訪

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NIKKEI STYLE

これまで液晶テレビしか発売していなかったシャープも今春から参入すると報道されるなど、存在感を増し続けている有機ELテレビ。そのパネルを生産するLGから、有機ELテレビとしては初めて8Kに対応した「OLED 88Z9PJA」が発売された。しかも一般の有機ELテレビとしては過去最大となる88インチ。その迫力を平成生まれのライターと、昭和世代のオーディオビジュアル評論家が体感し、LGに話を聞いた。

テレビ売り場でも際立つ存在感

小沼理(28歳のライター) 今日はLGの8K対応有機ELテレビ「OLED 88Z9PJA」を見に、ビックカメラ有楽町店にやってきました。

小原由夫(55歳のオーディオ・ビジュアル評論家) これまで8Kを楽しむには液晶しか選択肢がありませんでしたが、2019年9月、パネルの供給源であるLGが8K対応有機ELテレビを発売したんです。

小沼 2019年のAV家電を振り返った記事「2019AV家電 驚きの8K有機EL、オーディオは2極化」で、小原さんが「クオリティーが素晴らしい」と力を込めて語っていたことから、その実力を知るためにこうしてやってきているわけですが……やはり実際に目にするとすごい迫力ですね。高画質テレビは今のところ4Kが主流ですが、大きさ、鮮やかさなど、売り場でも存在感が際立っています。

岩井 小原さん、小沼さん、こんにちは。今回の解説を担当するLGエレクトロニクス・ジャパンマーケティングチームの岩井万里です。製品の迫力を体感してもらえてうれしいです。

小沼 よろしくお願いします。今はドローン(小型無人機)による大都市の空撮映像が映し出されていますが、これはオリジナルコンテンツなんですか?

岩井 はい。4Kカメラ3台で撮影したものをつなぎ合わせています。

小沼 かなり上空から撮影しているのに、地上を歩いている人の足の動きまで見えますよ。

小原 これほど細部までくっきり映って、かつ色鮮やかなのは自発光の有機ELテレビならではの利点ですね。

小沼 売り場を歩いているお客さんも、みんな立ち止まって驚いていますね。

岩井 量販店では感心しながら立ち止まる人をよく見かけます。OLED 88Z9PJAをバックに、記念撮影をする人もいるんですよ。

小原 テレビの前で記念撮影なんて聞いたことがないな。それだけ前代未聞の製品ということですね。

岩井 「8K対応有機EL」、そして「88インチの有機EL」、この2つの点で世界初ですから。さて、立ち話もなんですから、ここから先はLGのオフィスでお話ししましょう。

2Kや4K映像も8K相当に

小沼 まずOLED 88Z9PJA発売にいたった背景を教えてください。

岩井 現在、大型テレビのニーズは世界的に右肩上がりで高まっています。さらに日本では8K放送も開始され、コンテンツが増えていく中で8Kテレビの市場も急激に成長すると見込んでいます。4Kの4倍の3300万という8Kの解像度と、自発光でコントラストが鮮やかという有機ELの特徴が合わさることで、これまでにない高画質を実現できると考えたんです。

小原 大型の有機ELは生産が難しいといわれます。OLED 88Z9PJAも、実現までにはいろいろ苦労があったのではないですか。

岩井 そうですね。大型の有機ELパネルはパネル生産の歩留まりが悪いうえに大規模な生産ラインが必要なので生産が難しく、8K有機ELにおいてもそれは同様でした。ただ、そこはやはり有機ELパネルの先駆けとしてなんとしてでも8K有機ELを実現したいという思いがあり、技術を投入していったんです。

小沼 有機ELパネルメーカーとしての意地があったわけですね。ちなみに8Kコンテンツってどんなものがあるのでしょう?

小原 NHKではクラシックコンサートの昔のフィルムをスキャンして、8K画質で放送していますね。以前に比べると、こうしたリマスターのクオリティーもかなり良くなったと思います。それから、最近は徳島の阿波踊りや長岡の花火などを8Kで放送していますよ。こうした文化遺産を高画質で楽しむ需要はあるでしょうね。

岩井 OLED 88Z9PJAは2Kや4Kの映像を8K相当にアップスケーリングするエンジンを搭載しています。「α9 Gen2 Intelligent Processor 8K」というこのエンジンは、ノイズ除去機能が従来の4段階から6段階になるなど、より高機能になっています。様々なコンテンツを8K相当で楽しめる重要な機能だと思いますね。

日本の画質が世界のスタンダードに

小沼 新しいエンジンの性能は、小原さんから見ていかがですか?

小原 8Kテレビには基本的にこうしたアップコンバート機能が搭載されていますが、有機ELならではの自発光を生かしたコントラストの鮮やかさはさすがだと感じます。ただ、色味のグラデーション処理については液晶と有機EL、それぞれの魅力があるかな。ちなみにOLED 88Z9PJAの「JA」とは日本のこと。グローバルモデルとは画質のアルゴリズムが少し違うんですよ。

小沼 えっ、そうなんですか。

岩井 日本国内のものは販売前に小原さんたち評論家の方に見ていただいて、独自のアップデートをしています。

小原 黒が潰れているとか、ノイズが見えるとか細かく指示しています。手前味噌ですが、日本製が一番厳しいそうですよ。

岩井 エンジニアがいつも頭を抱えながら試行錯誤しています(笑)。でも、おかげで今は日本の画質がグローバルスタンダードになりつつあるんです。

小沼 世界でも認められてきているんですね。エンジニアの方の苦労が報われて良かった(笑)。

サイズはそのまま画面を大型化

小沼 デザインも洗練されていますよね。

岩井 OLED 88Z9PJAはLG製品のプレミアムシリーズである「LG SIGNATURE」に位置づけられています。「家電をアートに」をコンセプトに、世界一美しい家電を目指したものです。

小沼 スピーカーはどこにあるんですか?

岩井 キャビネットスタンドの上部です。デザイン性を重視して目立たないよう下向きになっていますが、リフレクターで音を前方に反射させるので音はしっかり聞こえます。

小原 このキャビネット、奥行きは30センチくらいですか(実際は28.1センチ)。レコーダーが置けるか置けないかくらいかな。

小沼 ベゼルの幅は約1センチほど。画面の大きさを考えれば、ほとんどないような細さですね。

小原 テレビを設置できるスペースには限りがあるけど、ベゼルを細くすれば同じスペースでも画面を大きくできます。私が今の家を建てたときに導入したのは50インチのテレビですが、現在は同じスペースに60インチのテレビが収まっていますし、ベゼル幅はそれだけ重要です。

ホームシアターを楽しむ人の新たな選択肢

小沼 最新の技術が詰まっているだけあって、価格は約360万円。かなり高額ですよね。

小原 家電量販店で買えば10%還元で36万円のポイントがつく。ポイントでもう一台有機ELテレビが買えますね(笑)。売れ行きはどうですか?

岩井 受注販売ですが、好調です。サイズや価格のハードルがある中で、予想を超えるお問い合わせをいただいていますよ。

小沼 実際に購入する人はどんな目的が多いのでしょう?

岩井 購入されたお客さまに話を聞くと、映画鑑賞を目的としている方が多くいました。

小原 ホームシアターを楽しんでいる人たちにとってはOLED 88Z9PJAは新たな選択肢になるでしょうね。これまで大画面で映画を見るとなるとプロジェクターがまず選択肢に上がりましたが、プロジェクターよりも圧倒的に明るく、目に飛び込んできたときのインパクトはプロジェクターの比ではありません。プロジェクターを買って100インチ程度で映すならば、これを買うべきだとも思います。

小沼 プロジェクターだと映像を写すためのスクリーンやスピーカーといった設備や、面倒な設定も必要ですしね。これ一台でテレビとしてもホームシアターとしても使えると考えると、需要が高まりそうです。

小原 近年、液晶は低価格化こそ進んでいるものの製品の進化は鈍くなってきています。一方、有機ELテレビは今もまだまだ進化を遂げている。テレビ業界の新たなパラダイムシフトが起こっていると感じますね。

小沼 有機ELテレビも55インチであれば20万円台で手に入ります。価格も下がってきていますしね。

小原 小沼さん、いよいよ有機ELテレビを買うときが来たんじゃないですか?

小沼 うーん、OLED 88Z9PJAはすごかったけど、僕の家には大きすぎるからなあ。それにテレビの前で楽しむよりは、どこでも見られる方が便利だと感じてしまうんですよ。最近はNetflixを見るときも、iPadでソファやベッドを移動しながら見ていますから。

小原 もうずいぶん連載をやっているのに、かたくなだなあ……(笑)。

◇ ◇ ◇

はるか上空から撮影したにもかかわらず、地上を歩く人の足の動きまで見えるOLED 88Z9PJA。その圧倒的な画質は思わず見入ってしまうものだった。88インチというサイズの大きさ、360万円という価格は、現状では手が出せる人は多くないだろう。だが、この数年で4Kテレビが一気に身近になったことを考えると、8Kテレビが普及していくことも考えられる。今後の展開の先駆けとなる製品だと感じた。

小原由夫
1964年生まれのオーディオ・ビジュアル評論家。自宅の30畳の視聴室に200インチのスクリーンを設置する一方で、6000枚以上のレコードを所持、アナログオーディオ再生にもこだわる。8K対応有機ELテレビで見たいコンテンツは「アイリッシュマン」(Netflix)。高精細カメラで撮影されており、色もとてもビビッドだったので。自宅の8K液晶テレビで見て「Netflix、やるな」と思いました。
小沼理
1992年生まれのライター・編集者。最近はSpotifyのプレイリストで新しい音楽を探し、Apple Musicで気に入ったアーティストを聴く二刀流。8K対応有機ELテレビで見たいコンテンツは「エベレストからの眺望」。単純に週末に自然が多いところに旅行へ行って癒やされたので。せっかくならなかなか見られない自然の絶景が見たいです。

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