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焼きたてトーストもっとおいしく 国産発酵バター10選

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NIKKEI STYLE

国産発酵バターが存在感を増している。香りが高く、爽やかな味わいが特徴だ。焼きたてトーストに合うおすすめを専門家が選んだ。

1位 山中牧場

(北海道赤井川村)580ポイント
酸味・塩味・香りの黄金比

プレミアム発酵バター 札幌市から西へ約30キロにある牧場。1970年に酪農を始め、宅配牛乳やソフトクリームに続く商品として10年ほど前に発売した。「ほのかな酸味、ほどよい塩味、香りなどが好バランス。毎日使っても飽きない」(福地寧子さん)

契約牧場など複数の仕入れ先から原料を調達し、独自の比率でブレンドする。乳酸菌を加えた発酵プロセスも腕の見せどころ。温度や時間次第でまろやかさが変わってくる。クリームをかき混ぜる伝統的な回転式マシン「バターチャーン」の内部に木製のローラーを使うことで「味のカドが取れる」(同牧場)という。

缶は小樽市の製缶工場でつくるなど北海道らしさを打ち出す。「コクがあり、発酵バターらしさが味わえる」(長尾絢乃さん)、「食パンをワンランク上に感じさせる」(梶田香織さん)。

(1)1個あたりの重さ 200グラム(2)税込み価格と購入方法 1404円(北海道どさんこプラザ有楽町店などで随時)、ネット通販など(3)http://yamanakabokujyou.co.jp/

2位 なかほら牧場

(岩手県岩泉町)560ポイント
自然放牧ならではの後味

なかほら牧場のピュアグラスフェッドバター(発酵タイプ) 北上山系の標高700~850メートルのくぼ地に放し飼いされる牛の乳を使う。牛は130ヘクタールの山地に約200頭しかおらず、搾乳舎があるだけで牛舎もない。放し飼いのためエサは穀物ではなく草や木の葉。牧場に草がない冬場は国産の無農薬乾草や自家製サイレージ(牧草を発酵させたもの)を食べている。「自然放牧ならではの爽快感と後味の良さがある」(柏木雄一さん)

2種類の乳酸菌をそれぞれに合った温度で発酵させ、香りなどを引き出す。草の成分がミルクに移り、穀物を食べる牛の乳でつくるバターより黄みがかっている。「エレガントな口溶けと余韻の長さは圧倒的」(長谷川純一さん)。食塩不使用で「粗塩をふってもいい」(梶田さん)。

(1)100グラム(2)2700円、自社のオンラインストア、日本橋高島屋SC新館など(3)https://nakahora-bokujou.jp/

3位 トラピスト修道院

(北海道北斗市)500ポイント
クリーミーで後から風味

トラピストバター 1896年に創設されたカトリックの男子修道院のバター。フランスなどからやってきた修道士たちが翌年に酪農を始め、生活の糧としてバターをつくるようになった。今も酪農は続いているが、バターを量産するほどの生乳はとれないため、酪農が盛んな根釧地域(根室から釧路にかけての地域)から原料を仕入れている。「クリーミーで後から風味が広がる。香りもいい」(津田淳子さん)

パンとの相性もいい。「塩味がほどよくコクがあり、日本のトーストによく合う」(清水美穂子さん)、「はっきりした味。パンに負けない味わいがいい」(長尾さん)。このバターをふんだんに使った「トラピストクッキー」も有名だ。

(1)200グラム(2)1080円(標準小売価格)、ネット通販など(3)https://www.trappist.or.jp/

4位 森林ノ牧場

(栃木県那須町)430ポイント
香り強く野性味も

森林ノ牧場発酵バター有塩 使われなくなった森林を活用して、希少なジャージー牛を放牧で飼育している。ジャージー牛は濃厚でコクのある生乳がとれるのが特徴だ。「発酵の香りと味が強く、野性味がある。しっかりとバタートーストを楽しみたいときにぴったり」(神戸みゆきさん)

冬場はサイレージや乾草などを食べている。草を食べて育った牛の生乳を使うため、黄みが強めだ。「コクや風味のバランスがよく、食パンとの相性がいい」(吉田功さん)

(1)100グラム(2)1500円、自社のオンラインストア(3)https://www.shinrinno.jp/

5位 神津牧場

(群馬県下仁田町)410ポイント
福沢諭吉も食べた味

神津(こうづ)ジャージーバター 1887年から続く牧場でつくられる。バター製造は1889年からで、創設者と親交のあった福沢諭吉も食べたという。「発酵のコクが強く出ている。チーズの強いにおいが好きな人におすすめ」(平野正延さん)との意見があった。

牧場は387ヘクタールと広大だが、飼育するジャージー牛は約200頭。低温殺菌したクリームを使い、「色合いのリッチさと舌触りを残す食感が存在感を高めている」(長谷川さん)。

(1)225グラム(2)1500円、サイトを通じたメールでの注文や、電話やファクスでの申し込み(3)http://www.kouzubokujyo.or.jp/

6位 小岩井乳業

(東京都中野区)340ポイント
万人受けするバランス

小岩井純良バター 1891年に創設された小岩井農場(岩手県雫石町)では、1902年に発酵バターづくりが始まった。現在も農場内の乳業工場で製造し、近隣牧場からも原料を調達している。

乳酸菌の配合を工夫し、日本人好みのまろやかな味に仕上げている。瓶の蓋の裏には脱酸素剤を貼り、新鮮な味をキープできるようにした。「万人受けしそうなバランスのよさ」(神戸さん)。「塩味もほどよく、食べやすいなめらかさ」(清水さん)

(1)160グラム(2)705円(希望小売価格、税抜き)、ネット通販や百貨店など(3)https://www.koiwaimilk.com/

6位 千本松牧場

(栃木県那須町)340ポイント
牧草の香りのような奥行き

ホウライの発酵バター 明治の元勲、松方正義が1893年に開いた農場を起源とする牧場。1983年に牧場でのバター製造を終えており、現在は当時のバターに似た味わいが出せる南日本酪農協同(宮崎県都城市)の工場に製造を委託している。

「牧草の香りがするような、独特の奥行きがある。濃厚でパンの味も底上げされる」(梶田さん)。「ミルクの香りと塩味のバランスが素晴らしい」(長谷川さん)

(1)200グラム(2)770円(直営店)、ネット通販など(現在は入手困難だが、3月下旬までに販売再開の予定)(3)http://www.senbonmatsu.com/

8位 帝国ホテル

(東京都千代田区)330ポイント
上品で口溶けなめらか

帝国ホテル特選発酵バター マーガリンで知られるホテルの独自商品。北海道産の生乳からできたクリームを使う。試作を重ね、出来上がりの風味のよかった乳酸菌を選んで発酵させている。「マイルドな風味で口溶けがなめらか」(井上好文さん)、「上品でスタンダードな味わい。トーストとの相性もよい」(神戸さん)。

料理などで加熱すると、より風味が引き立つという。「あとから塩味が出てきておいしい」(片山智香子さん)との声もあった。

(1)113グラム(2)918円、帝国ホテル東京内のショップ「ガルガンチュワ」か電話で注文(3)https://www.imperialhotel.co.jp/

9位 ミルクロード

(群馬県昭和村)320ポイント
パンに負けない強い酸味

ロマンチックデーリィファームバター(有塩、発酵タイプ) 1974年に6頭の乳牛で始まり、現在では1200頭規模となった同ファームで搾乳した生乳を使う。飼料の安定供給により、ミルクは年間を通して乳脂肪分が3.8%以上と濃厚だ。近隣の加工工場との共同開発品で、2017年に販売を始めた。

「酸味が強くパンに負けない。風味を強く感じるバタートーストになる」(津田さん)、「口に含んだときにミルク感をたっぷり味わえる。パンとの相性もいい」(長谷川さん)。

(1)120グラム(2)900円、「ミルクロード自由が丘店」やメールで注文(3)http://milkroad.co.jp/

10位 ノースプレインファーム

(北海道興部町)310ポイント
サロマ湖の塩、地産の味

オホーツクおこっぺ醗酵(はっこう)バター有塩 約100頭と小規模な牧場。道東の他の牧場からクリームを調達している。サロマ湖の海水を炊き上げた「つららの塩」を加えるなど、北海道らしさにこだわる。

牛乳のようなフレッシュでさわやかな味わいが特徴だ。「ミルキーな風味に加え、後から酸味も出てきて味わい深い」(片山さん)、「深いコクと塩味があり、バター単体でもおいしく食べられる」(柏木さん)。

(1)125グラム(2)972円、自社のオンラインショップ、羽田空港第1旅客ターミナル「プレミアムハーベスト」などで随時(3)https://northplainfarm.co.jp/wp/

発酵タイプ浸透 料理に深いコク

バターには発酵と非発酵がある。前者は生クリームや非発酵バターに乳酸菌を加え、独特のコクや香り、酸味を出す。古くからバターをつくってきた欧州では製造過程で自然に乳酸発酵が進み、発酵バターができた。その名残から、今でも発酵タイプが一般的だ。

日本では古代、乳を利用する文化が渡来したといわれるが、バターを本格的につくり始めたのは明治になってから。「日本乳業史第二巻」によると、現在の新宿御苑内の実習農場で、1873年にバターがつくられた。近代的な技術とともに導入されたため日本では非発酵が主流となったが、発酵バターをつくるところが少しずつ増えてきた。

「トーストにも料理にもより深いコクを出せるのが発酵バター」と話すのは津田淳子さん。全国ブランドはもちろん、地域のお土産として注目の「クラフトバター」も登場している。長谷川純一さんによると、「欧州の発酵ハウハウを変化として受け入れ、進化させている」。日本の食文化をより豊かにする可能性を秘めている。

ランキングの見方

 メーカーまたはブランド名(所在地)。文頭の太字は商品名。数字は専門家の評価を点数化。(1)1個あたりの重さ(2)税込み価格と購入方法(3)公式サイト。写真は三浦秀行撮影、スタイリングは島本美由紀。

調査の方法

 バターに詳しい専門家の協力で、国産の発酵バターを23品選定。商品を集め、トーストした敷島製パンの「超熟」につけて試食。「風味」「トーストとの相性」の観点で順位を付けてもらい、編集部で集計した。(天野由輝子)

今週の専門家

 ▽井上好文(日本パン技術研究所所長)▽梶田香織(バタートースト評論家)▽柏木雄一(松屋銀座店MD課担当課長)▽片山智香子(パン屋さんめぐりの会代表)▽神戸みゆき(パンニュース社)▽清水美穂子(ブレッドジャーナリスト)▽津田淳子(「バターの本」編集者)▽長尾絢乃(富澤商店オンラインショップ担当)▽長谷川純一(俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA支配人兼シェフソムリエ)▽平野正延(東京都酪農業協同組合代表理事組合長)▽福地寧子(パンコーディネーター)▽吉田功(品川プリンスホテル総料理長)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2020年3月7日付]

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