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就職活動でも喫煙者に逆風 健康重視、排除の動きも

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NIKKEI STYLE

3月に入り、来春新卒採用活動が本格化しています。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、大規模な合同説明会の中止が相次ぐといった異変が起きていますが、企業の採用活動自体にも昨年から一風変わった動きが見られます。それは喫煙者の排除です。今年はさらに広がりそうな気配です。

SOMPOひまわり生命は4月、30人の新卒採用者を迎える予定です。その中にたばこを吸う新入社員は1人もいないはずです。昨年から応募条件に「非喫煙者もしくは入社時点で喫煙されない方」を加えたからです。「最終面接や内々定の告知のときにも口頭で念押ししました。内定承諾書にもその旨、明記しています。学生時代に喫煙していても、4月以降は全員非喫煙者です」(経営企画部)

社員喫煙率ゼロを目指すファイザーも昨年、採用要件を見直しました。喫煙の有無を採用活動中に確認し、喫煙者は原則入社を断っています。

狭まる喫煙者包囲網。その背景にあるのは改正健康増進法による規制強化です。受動喫煙防止を目的に今年4月から職場も原則屋内禁煙になります。規制強化を先取りし、就業時間の喫煙を就業規則で禁じる企業も増えています。企業の採用活動では、法律などの制約がなければ原則として「採用の自由」が認められています。社員に禁煙を求めるなら、採用段階から選別しようという判断です。

喫煙の健康リスクが認識され、日本人の喫煙率はそもそも低下傾向です。厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば18年の喫煙率は男性29%、女性8%。1998年は男性51%、女性11%でしたから喫煙習慣は廃れています。SOMPOひまわり生命も「応募の減少など反動があるかと心配しましたが、何も影響はありませんでした」と説明します。

SCSKは21年新卒採用から、内定者に卒煙治療サポートを提供します。同社も会社を挙げて喫煙習慣見直しに取り組んでおり、就業規則で就業時間内の喫煙は禁止です。自社オフィスに喫煙スペースはありません。採用段階でもその旨を学生に説明しており、喫煙者を選考から排除しないものの、禁煙を手助けしようという試みです。

すでに社員に提供している禁煙アプリを内定した学生が無償で使えるようにします。このアプリは禁煙成功率83%と高い効果も実証済みだといいます。小林良成・人事グループ長は「喫煙は健康リスクを高める。体を壊してしまっては本人のためにならず、会社としても末永く活躍してもらえない。禁煙は経営上も会社に利点のある健康経営の一環です」と説明します。

小林良成・SCSK人事グループ長「社員の健康増進で生産性も向上」

たばこを吸うも吸わぬも本来は個人の自由で、会社が社員の私生活に干渉しすぎでは、という気もします。なぜ社員の喫煙習慣の見直しに取り組むのか。健康経営の意義をSCSKの人事グループ長・小林良成さんに聞きました。

――内定者に提供する卒煙治療サポートはどんなプログラムですか?

「スマートフォンから利用できる卒煙アプリです。専門家によるネット面談を1カ月に1回実施するほか、たばこを吸いたくなったときの対処法などの情報を提供します。禁煙したい社員のために採用したアプリで、6カ月にわたり、毎日きめ細かくフォローするのが特徴です。その分、禁煙成功率は高く、社内実績は83%に上ります。10月の内定式後から3月まで、喫煙習慣のある内定者に無償提供します」

「SCSKは健康経営を掲げて、社員の喫煙習慣の見直しに取り組んできました。2008年度の社員喫煙率は36%に上っていましたが、18年度は16%に低下しました。たばこは喫煙期間が長くなればなるほど習慣化して、なかなか禁煙できない傾向があります。大学生ならば喫煙期間はせいぜい2年間。できるだけ早く手を打つことが長い人生を考えて大切だと考えました」

――喫煙は個人の自由。会社が干渉することなのでしょうか?

「その懸念は社内にもあります。実は来春新卒採用から非喫煙を応募条件にしようという強硬案もありました。就業規則で就業時間内の喫煙を禁じてます。2013年4月に自社オフィス内の喫煙スペースは撤廃しました。社員の喫煙率を10%に下げる目標も持ってます。その実現のためにも採用活動で『喫煙者お断り』まで踏み込むべきだという意見もありました」

「でも議論の末、見送りました。就業規則で禁止しているのは就業時間内の喫煙。オフタイムは禁止していません。さすがに募集条件に掲げるのは個人の権利に干渉しすぎだと判断しました」

「ただ、会社を挙げて喫煙習慣の見直しに取り組んでいる事実は変わりません。募集要項で明記はしないまでも、選考段階で会社の方針は口頭で学生にしっかり伝えていきます。やめたければ卒煙治療プログラムを無償提供しますよ、とやんわり伝えて喫煙習慣をできるだけ見直してほしいと思ってます」

――なぜそこまで禁煙にこだわるのですか?

「対策を実施しているのは禁煙だけではありません。『社員の健康こそが全ての礎』という理念の下、メタボ予防など健康経営に力を入れています。15年に『健康わくわくマイレージ』を開始し、1日の歩数や毎週の飲酒日数、喫煙習慣、食生活などに応じて一人ひとりの社員にポイントを付与しています。その総ポイント数に応じて福利厚生プログラムを手厚く受けられる取り組みも実施しました」

「末永く健康で活躍できることは当事者とその家族にとって大切です。会社にとっても社員が心身を健康に保って働ければ、それだけ仕事の成果も期待できます。経営上の利点もあるからこそ、健康経営に取り組む意義があります」

――健康経営は経営上のメリットがあるのですか?

「社員の平均BMI(肥満度を示す指数)は下がり、社員の健康は改善しています。健康経営の経済効果を測ることは難しいですが、少なくとも意識調査では社員満足度が上がっています。SCSKで誇りを持って働けるかを尋ねた設問で12年度は『そう思う』『ややそう思う』が66.9%でした。19年度は78.0%に上昇しました」

「様々な要因が複合的に作用しているのだと思いますが、健康経営の積極的な取り組みも影響していると思ってます。社員一人ひとりの健康にまで配慮していることを社員が実感し、会社に対する忠誠心が上がったと考えています。忠誠心が上がれば生産性も上がります。数字的に切り出しにくいものの、社員一人ひとりのアウトプットも増えているはずです」

「国は70歳現役を目指して法改正を準備しています。現在SCSK社員の年齢構成は40代後半から50代前半が厚くなっています。彼ら彼女らに70歳まで活躍してもらうには健康であってもらわなくては困ります。年齢を重ねるほど病気になるリスクは高まります。健康経営は高齢化を迎える日本で重要な経営戦略でもあります」

(編集委員 石塚由紀夫)

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