検査結果で精密検査の指示を受けた従業員には、私たち保健師がフォローしています。メンタル、フィジカルを問わず、困ったときにはまず思い出してもらえる存在になりたいですし、保健師の活動を社内に周知することが大事だと思っています。

今村 新任課長や新任部長の研修の中でも、保健師らに健康に関する講話をしてもらうことがあります。がんに限らず気になることがあれば、保健師につなげられるように仕向けています。

禁煙チャレンジャーが大幅増のワケ

――この他に、予防の観点から実施している取り組みはありますか。

今村 当社は喫煙所以外の建物内外で全面禁煙しており、喫煙所での禁煙タイムを設けています。2019年から就業中の午前と午後、それぞれ1時間は建物の内外にかかわらず、たばこを吸わないよう促す禁煙タイムを設けています。喫煙者本人の健康によくないのはもちろん、受動喫煙の問題からも始めました。たばこをやめる、たばこの本数を減らすきっかけにしてもらいたいと思っています。

もう一つ、健康保険組合では年に1回、取り組み期間を限定した禁煙プログラムを行っています。19年は禁煙成功者にポイント(ためるとアイテムと交換できる)の加算を付けたところ、申込者が前年の12人に対して80人超に増えました。禁煙に意識が向いたのはいいことですし、がん対策にもなりますから、禁煙策をもっと充実させていきたいところです。

多様な人たちを受け入れる職場づくりを

――がんと就労について、今後はどのような活動を行う予定でしょうか。

今村 日立グループ会社のがん経験者らが講師を務める「がんと就労セミナー」は主な拠点を一巡しているので、必要なところに2巡目をしていこうと考えています。また、2020年にはがんだけでなくダイバーシティーの観点から、病気のある人、育児・介護をしている人、LGBTの人など多様性を受容した働きやすい職場づくりを進めるために、座談会などを開いていきたいと思っています。

がんの治療と仕事の両立についての対策は他の会社でも行われてきていますし、日本全体の動きでもあります。がんと就労の問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」で、当社とともに表彰された企業と合同で2019年に事例発表・情報交換会を開いたのですが、社外の人たちとつながるイベントなどをもっとできればいいなと思います。

(ライター 福島恵美、図作成 増田真一)

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