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NIKKEI STYLE キャリア
プロ経営者 松本晃の流儀

2020/3/14

プロ経営者 松本晃の流儀

トップが留守でも回る会社、権限委譲から

月2回しか会社に来ないでCEOが務まるのかと思う方もいるかもしれません。ただ、これはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人の社長だったときも同じでした。J&J日本法人の下には14の事業本部があって、すべてに毎日顔を出すなんて到底無理です。そもそも顔を出すだけでは、何の意味もありません。要は一番大事なところだけを押さえて、あとはそれぞれのトップに権限を委譲してオペレーションを任せればいいんです。これは僕流の経営の成功法則です。

スケジュール管理は、基本的に自分でスマートフォンを使ってやっています。取締役をしている会社の一つに秘書のような仕事をしてくれる人がいるので、助けてもらいながらですが。

東京都内やその近郊は、いつも電車で移動します。カルビー時代も電車通勤でした。車を使わないのは、道路がすぐ渋滞して目的地までの時間が読めないからです。その点、電車ならある程度時間が読めます。スマホでちょっと調べれば、最短ルートも所要時間もすぐわかります。根が合理主義者の僕には、これが合っているんです。

ワイシャツの胸ポケットには、いつもメモ帳を入れています。移動中に気が付いたり、思いついたりしたことがあったら、取り出してささっとメモする。書いたことを実行したら、線を引っ張って消していきます。紙の裏表とも書き尽くしたら、破って捨てます。

人間というのは、何かよいアイデアが頭に浮かんでも10秒で忘れてしまいます。僕は、数字を覚えるのは得意だけれど、それ以外のことはすぐ忘れる。だから書いておくんです。これはかなり若いころからの習慣です。

毎日とても忙しいですが、いろいろな仕事にかかわっている今が一番充実していると思います。そもそも僕は仕事大好き人間です。人には、いつも「ライフワークバランスが大事だ」とか言っていますが、自分ではできていません。僕にとって、仕事ほど面白いことが世の中にないからです。仕事より面白いことがあれば、もちろんそっちをやりますよ。でも、いまだに見つからない。

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