powered by 大人のレストランガイド

日本一うまいビールを飲む! 「注ぎ方」で広がる世界

ピルスナーウルケルの注ぎ方違い。左からハラディンカ、シュニット、ミルコ。同ビールはチェコ西部のプルゼニ(ドイツ語名でピルゼン)で造られている

実は、佐藤さんが当時働いていたビアバーには別のビールの「師匠」もいた。アサヒビール系列のビアホールの名物店長だった人物だ。彼の注ぎ方は「マイルド注ぎ」。まず、液体をグラスの底に垂直に注ぎ、液が底にぶつかる衝撃で泡立てる。その横からすべらすように液体を入れ、泡を持ち上げる注ぎ方だ。泡はもこもこふんわり、少しだけ炭酸ガスが抜けるという。

大学は工学部でモノの仕組みに関心があった佐藤さんは、松尾さんや「師匠」の注ぐビールを飲み、「なぜ注ぎ方でこんなに味わいが変わるのか」と興味を引かれるようになった。彼のビール注ぎに対するこだわりの原点だ。

「マイルド注ぎは、ビールサーバーに泡付け機能がない時代に、ビール会社が編み出した注ぎのテクニックなんです。技術が必要なので、『シャープ注ぎ』ができるサーバーが登場すると消えてしまった。今のビールは、ほとんどどの店も同じ注ぎ方でお客様も違う飲み方を知らない。もったいないですよね」と言う。

同店の看板メニューの一つ「牛ハラミのタリアータ」(1680円・税別)。さっと焼いたハラミを薄切りにした一品。芳ばしさがビールに合う

では、「サトウ注ぎ」はどのように生まれたのか。

きっかけは2007年のこと。先のビアバーを経営していた会社の新店「新橋ドライドッグ」の店長に佐藤さんが抜てきされたことだった。店長になるに当たり彼は、1カ月ほど一人で英国、ベルギー、ドイツなど欧州6カ国を巡る研修旅行に出た。各地のビール文化を学び、吸収する中、最後に訪れたのがチェコ。ピルスナーウルケルを生んだ国だったからだ。

ピルスナーウルケルは、「ハラディンカ」と呼ばれる注ぎ方がスタンダードとなる。最初に泡を入れ、その下に液体を入れる。泡の層は指三本分の厚さだ。「(現地の人が)うまく炭酸ガスを抜きながら注いでいるのがすごくかっこよかった」と佐藤さんは、ハラディンカに強い印象を受けた。チェコではこのビールを、0.5リットルグラスで5杯、10杯と飲み続ける。

彩り豊かな季節の野菜を用いたバーニャカウダ風の同店メニュー「彩り野菜スティックのディップ」(800円・税別)
メールマガジン登録
大人のレストランガイド
ラーメン・レシピ・コンテスト
注目記事
メールマガジン登録
大人のレストランガイド
ラーメン・レシピ・コンテスト